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「暗記」を科学的に考える

2021年5月19日

vol.892

 

つばめ学院の関口です。

今日のブログは「勉強の仕方」の中でも最も効率の違いがでる「暗記」について取り上げます。

いまのうちに感覚をつかんでおくと、夏休み前の期末試験では大きな成果を出してくれるはずです。

 

 

どっち派?は間違い

暗記をする時に、「書いて覚える派」や「読んで覚える派」というような言い方をした事はないでしょうか?

しかし、これは現代の科学の常識からは間違いと言わざるを得ません。

では、科学的な見地から言うと「なに派」が正解なのでしょうか。

 

ずばり「テストで覚える派」が有効です。

ここで勘違いがあると良くないのですが、「覚えたかどうかをテストで判断する」のではありません。

「覚える」の一環としてテストがあるんです。

テストするまでが流れの1つです。

 

「覚えるためにテストする」

これが重要なポイントになります。

 

 

人は「なにを」覚えるのか

東京大学薬学部の池谷裕二教授によると、人間が記憶する情報というのは「生死に関わる情報」が第一優先になるそうなんです。

人の生き死にに関わる情報は無条件で記憶することができる。

 

そんな事を言われたところで、我々が勉強で暗記する内容に「生死に関わる」ような情報は少ないですよね。

しかし、しっかり記憶はしたい。

そこで、どうするか。この点についても池谷教授のアドバイスがあります。

 

記憶したい情報を「繰り返し使う」ことで、その情報が「生きるために必要な情報」だと脳をだますという方法です。

つまり、繰り返しにより情報の重要度を上げるわけです。

 

ここで注意があります。

「繰り返し使う」という話だけを聞いて、「じゃあ、たくさん書けばいい」や「たくさん読めばいい」というのはあまり得策ではありません。

なぜなら、それでは「脳から情報を引き出した」ことにならないからです。

 

目の前にあるものを何度書いても、見ながら書いているうちは脳をほとんど使っていません。

目の前にあるものを読むのも同様です。

 

「なんだっけ?」と思い出す作業こそが、「脳からの情報を引き出す」ことになります。

そして、この回数を増やすことこそが「情報の重要度を上げる」ために必要なことなんです。

 

 

暗記の仕方-実践編

最後に暗記の実践編です。

 

1.まずテストする

最初に大切な事は「いきなりテスト」です。そもそも既に覚えているものを「不安だから」という理由で覚え直す人がいますが、これは間違いです。

先ほど書いたように、「テストで書き出す」という行為がすでに記憶の強化になりますから、書けるものを書くだけで次も書ける可能性が上がります。

 

「覚えるべきもの」の数を最初に減らしておくことは、効率を考えるうでは、非常に大切です。

 

2.覚えていないものを3回ずつ書く

メモ用紙でもなんでも良いので、覚えるものを3回ずつ書きます。この「書く」というところで重要なポイントが2つあります。

 

まずは書く回数です。5回も10回も書く必要はありません。不安があるという人はむしろ「3回で覚える!」という気持ちで書いてください。そのうえでテストをすることが大切です。

 

もう1つのポイントは、自分で書いたものをしっかり隠すことです。まず1回目を書く。書いた「それ」を指で隠して2回目を書く。また指で隠して3回目。というように必ず、自分の頭の中から出力しながら練習します。

 

3.強制的にテスト

3回ずつ書いたら自信がなくてもテストです。

良く「自信がついてからテスト」という子がいますが、これは間違いです。なぜなら、覚えるためには「なんだっけ?」を増やす事が有効なんです。

「なんだっけ?」「そうだった!」

を繰り返す方が、漫然と書き続けるよりはるかに記憶の効率が良いです。

 

更に重要なポイントが「覚えた」の基準です。

「1秒以内に答えられる」が「覚えた」の基準です。「え〜っと」と何秒も悩んで答えられたものは「覚えた」にカウントせずに、もう一度覚え直します。

とはいえ、もう一度覚えれば「1秒以内」に答えられるようになります。

この「覚え直し」の一回があるかないかで、記憶の定着度合いは大きく変わります。

 

これが「テストで覚える派」の覚え方です。

科学的にも理にかなった方法で、つばめ学院でも生徒達に推奨しています。

是非ともご家庭でも試してみてください。

 

お子さんは正しく暗記できていますか?

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

 

 

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