いつも「正しく」あるために
2021年7月11日
vol.898
つばめ学院の関口です。
先日、あるニュースに目が止まりました。
私と同じく関心をもった方も多かったのではないでしょうか。
私もつばめ学院を設立する前の10数年は会社員として働いていました。
その経験をふまえて考えると、この件をただ「無邪気に凶弾」するだけでは済まない気分になります。
現場を想像してしまう
最初にお断りしておくと、私が関わってきた会社員生活のなかで、不正に関わったり、不正を強行するような会社とつきあうことはありませんでした。
ただ、この事は私の「能力や資質」とは何の関係もないと思います。
たまたま環境に恵まれていたに過ぎません。
そして、不祥事のニュースを見るたびに思うのです。
「自分だったら、どうするのだろう?」
不正したい人間なんていない
そもそもの話ですが、「不正がやりたい」という人間なんて世の中にほとんどいないと思うです。
それでも不正や不祥事は起きています。
そこに「人としての弱さ」があるのだと思います。
「悪さ」ではなく「弱さ」です。
今回の三菱電機の件に関していえば、長期にわたり「不正データを作成するプログラム」が存在したと言われています。
かなり組織的です。
組織的だという事は、複数人が関与しているということです。
もし、私が不正を命じられた社員だったらどうだろうと想像します。
おそらく、自分の上司から指示を受けるはずです。
そして、他に関与している社員がいるのであれば、そこで「正しい」自分は少数派です。
自分のまわりには、「不正をすることが仕事」だと言う人だけがいます。
その状況で本当に「正しい」と信じる行動をとる事ができるのか。
そういった、ギリギリの状況が確実にあるはずです。
「正しさ」を担保する強さ
「正しさ」を貫くには「強さ」が必要です。
そして、その「強さ」をつくるために勉強は役に立ちます。
勉強を通じて「自信」を身につけることは、きっとその子が「正しい」振る舞いをする手助けになるはずなんです。
この点については、私も何度か経験があるので良く分かります。
私も会社勤めをしていた時期に、会社に対して強い要求を求めたことが何度かあります。
その時に考えることは、
「これが受け入れられないなら辞めればいいか」という思いです。
自分にできる限りのことはするけれど、それが認められないのであれば、その場を去って別の場で全力を尽くす。
少なくとも私はそう考えていました。
そうであれば、「ここでなくても自分はできる」という考えは重要です。
「自分はこの組織の中でしか生きられない」という感覚は、自分の立場を弱くします。
「弱い立場」は「断れない」という状況を必ず作ります。
そんな人が、たまたま「不正のある職場」に入ったらどうでしょうか。
不正はどういった環境でも起こり得ます。
その時に「自分の正しさに忠実に生きる」ことができるように。
生徒全員がそういった大人になれることを切に願いながら、日々の授業に私は向かっています。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。