「合格圏」でなければダメですか?
2021年11月13日
vol.913
つばめ学院の関口です。
和光市内の公立中学校は来週から続々と期末試験が開始されます。
中3受験生にとっては、実質上は「最後の定期試験」といっても過言ではありません。是非とも全力を尽くして欲しいです。
期末試験を迎えると同時に、県立高校の受験も大詰めを迎えます。
志望校選びも最終段階です。今日はそんな最終盤で「結果が出ない」と焦っている子(または保護者)に向けてのブログを書きます。
まだ間に合う
頑張ってはいるけど、北辰テストで志望校の合格圏に入っていない。
そんな子はまだたくさんいると思います。
そんな子にとって、まずは事実を整理しようと思います
私は良く生徒たちに「結果が出るまで3ヶ月かかる」と伝えています。
勉強を頑張ったところで、今日明日のうちに結果が出るわけではありません。それは誰もが分かる事です。
では、どの程度の期間をおいて結果になるのか。
その目安が3ヶ月です。
もちろん個人差や状況差もあるので、ある程度の前後はあります。それでも目安は大切です。
ところで今は11月。
11月、12月、1月と頑張って、2月に頑張りの結果が出るとします。
それでも県立試験の本番には十分に間に合います。
つまり、この時期に結果が出ていない事だけで希望を取り下げるのは早いのです。
合格圏にいる子は有利なのか
この時期に合格圏に入る事ができていないと、やはり親も子も焦ると思います。
とはいえ、落ち着いて考えて欲しいことがあります。
「不安なのは自分たちだけなのか」
「自分たちは本当に不利なのか」
という事なんです。
この時期に「不安がない」という受験生はいません。
どんなに余裕のある「合格圏」にいたとしても、それは県立試験当日の「合格」そのものは何一つ保証はしてくれません。
しょせんは「参考値」でしかないのです。
当日の合格が保証されない限りは、どんな位置にいようと不安です。模試の結果と不安の大きさは関係ないと言えます。
では「合格圏にいないと不利」というのはどうでしょうか。
確かに不利なような気もしますが、実は有利な点もあるんです。
それは「課題が見えている」という点です。
もちろん、見ようとしなければ見えないですが、模試の答案をしっかり見直せば、そこに課題を見出すことができるはずです。
「合格するために何が足りないのか」を明確にすることができ、その課題解決に向けて一心不乱に突っ走ることができるのが「追うもの」の圧倒的な利点です。
合格圏にいる子たちはいわば「追われる側」です。追われる側の方が、相対的に課題が見えにくくなります。
なぜなら、「すでに合格圏」だからです。
「何が足りないか」ではなく、「もう足りている」から合格圏なんです。
そこからどこをどう伸ばすのか、いろいろと考える必要があります。
自分史上で最高の勉強効率
ここまでは「合格」について考えてきました。
しかしながら、お子さんにとって「合格よりも大切なこと」があります。
「それは、最後まで頑張り抜いたという思い出だ!」などと、あいまいなお話をするつもりはありません。
ごく現実的で、理にかなったお話です。
私がこの時期に1番気にかけることは、「どうやって全員にたくさん勉強してもらうか」という一点に尽きます。
なぜなら、お子さんにとって今は「生きてきたなかで最も学習効率が良い時期」だからです。
「学習効率」というものを、「時間あたりに得る学習の効果」だと考えると、やはり現時点で持っている情報が多い方が効率も高いです。
例えば、英単語を100個しか知らない子が20個の英単語を覚えるのは大変ですが、2000個の英単語を覚えている子が20個を追加で覚えるのはより易しいはずです。
中3の受験生はほとんどの子が、「今までこんなに勉強したことはない」という状態です。もちろん、知識の量も1年前とは格段に増えています。
同じ中3の中で競争をしていると気づかないかもしれませんが、その子の人生においては一二を争うレベルで学習効率が高い時期なんです。
この時期にどれだけしっかり勉強できるかは、「その子」にとっては大きな問題です。
「学習効率」が最も良い時期であることを前提に、いまの目標をどうするかを考えてみてはいかがでしょうか。
残り数ヶ月。我が子が力を出し切るための目標設定はどうすれば良いか。
その視点が、お子さんの受験を一生モノの宝に変えてくれるのではないでしょうか。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。