まとめノートをつくろう(実践編)
2021年11月21日
vol.915
つばめ学院の関口です。
前回のブログでは「まとめノート」をつくる意義について書きました。
今日はその「実践編」ということで、しっかりと具体的なステップをご紹介します。いつも通り「出し惜しみ」は一切なしで、塾で指導する内容をそのままお伝えします。
英語ノートは教科書を書き写す
英語のまとめノートの作り方をご説明します。
英語の学習はなんと言っても「教科書の音読」が最も効果的です。これは英語を教えたことのある人間であれば、多くが共感するところかと思います。
まとめノートも教科書の音読を強化する形が理想的です。
まずは教科書に載っている本文をノートに書き写すところから始めます。書くときは1行とばしで書いてください。
英文の下に意味やポイントを書き込める余白をつくっておきます。
ここで、「手書きで写す」ことを嫌がってコピーを貼ってしまう子もいますが、これはナンセンスです。
まとめノートは「理解を促すため」につくるものです。コピーを貼るよりも手書きで写した方が理解を促す効果は高いですよね。手間を惜しんで効率を下げては本末転倒です。
教科書の本文を写し終えたら、英文の下に単語・熟語の意味やポイントなどを書き込んでいきます。一通りの書き込みが終わったら、このノートを使って10回音読をします。音読をしながら、日本語の意味を確認します。すべての文章がしっかりと日本語として意味がとれているかが重要です。
まとめノートでの音読を終えたら、何も書いていない教科書を使って10回音読します。その後に、さらに教科書のQRコードを使って、ネイティブの発音に続いてシャドーイングを10回すればその英文はほとんど自分のものになるはずです。
数学のノートはスクラップブック
続いて数学のノートの作り方をお伝えします。
数学のノートは「自分ができなかった問題」のスクラップブックのイメージで作ります。
学校の教科書・ワーク、塾のテキスト、その他いろいろなところで解いた問題のうち、自分が間違えてしまったらり、解答解説のお世話になった問題を一つのノートに集めます。
数学のノートは英語ほど手書きにこだわる必要はないです。図形問題や作図問題など必要に応じてコピーの貼付で対応してください。
このノート作りで重要なポイントがあります。
ノートに問題を書いたら必ずその日に解きます。さらに「解き直す日」をすぐに書き込んでおくことが大切です。
例えば、
12月10日にノートに問題を書いたら、10日にまず解きます。ノートには12/10と日付を書き、その上に結果をマルかバツかで書いておきます。すぐに12/17と隣に書いておきます。
12月17日になったら、当然ながらその問題を解き直して、上にマルかバツで結果を書きます。マルが2回連続でつけば、その問題は終わりです。2回連続でマルがつかない場合は、さらに次回のチャレンジ日を設定します。
このノートを通じて、数学の「できなかった問題」を必ずできるようにするで徹底的に追いかけるのです。
国語は解説ノートを作る
最後に国語のノート作成です。
国語の場合は、いきなり教科書本文のコピーからはじめます。
コピーをノートに貼り付けて、そこにポイント解説を書き込んでいきます。
「何がポイントか分からない」と思う子も多いはずです。そこはご安心ください。
簡単にポイントがわかる方法があるんです。
学校のワークでも、市販の教材でも構いません。国語の教科書に準拠した問題集を活用してポイントをどんどんと書き込みましょう。
例として、私の手元にある問題集の内容をご紹介します。
中学2年の教科書から「坊ちゃん」を取り上げます。
「人におぶさって帰ってきた時、おやじが大きな目をして、・・・」
この文章の「おやじ」に傍線が引いてあります。
問題は「おやじは本文からどんな人物だと考えられますか。」4択の問題で、答えは「大胆で向こうみずな人」です。
解答解説には次のように説明があります。「”親譲の無鉄砲で・・・”おやじも「向こうみず」である。また”二階ぐらいから飛び降りて腰を抜かすやつがあるか”と、だらしないと思うような人物。」と解説されています。
この内容を、「おやじ」という言葉の隣に書き込んでいきます。
「おやじ」は大胆で向こうみずな人」なのです。その根拠は、先に示した文章に書いてあります。
ここまで自分の判断は一切使っていません。問題集の問題と解説を読んでノートにポイントを書き込んだだけです。
それでも教科書の理解は十分に進むはずです。ここまで書き込んだノートをさらに「10回音読」すれば完璧です。
具体的なノート作成の方法をご紹介しました。
「何をすれば良いかわからない」という子は、是非ともここから始めてみてください。
ただ漫然と問題集を解いたり、教科書を眺めたりするのは勉強とは言えません。目的意識を持って効果的に取り組んでこその勉強です。
まずは行動を起こしてください。
行動をする中で、必ずより効果的な方法も見つかってきます。その改善のループに入れば、その子はもう立派に自学の達人です。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。