つばめ学院の関口です。
今日は別のネタを用意していたのですが。。。
授業終わりに「新受験生」と話した会話が印象的だったんで、その事について書いていきます。
こういう「苦悩」があるから、「受験は人生の糧になる」って思えるんです。
さて、新受験生の苦悩が早くも始まっております^^
「あぁ。。。はぁ」
「何だよ(笑)ずっと今日はため息ばっかだし。あのね、あんまし塾の雰囲気悪くするようなら営業妨害で訴えるよ^^]
「あの、なんで私は。。。他の人みたいに上手くいかないんですかね。」
「具体的に言えよ。「みんな」は誰で、「上手くいかない」は何のこと?テキトーな言葉使ってると、不安が増幅するぞ。」
「あ、はい。今日、先生に見てもらった問題。前も説明されて分かった気になってたのに。。。○○ちゃんは、一度で理解できて、どんどん先に進んでますよね。」
「なーるほど。まず、確認。今日やった事は本当に理解できてんの?」
「はい!今日のことはちゃんと分かるようになりました。」
「じゃあ、もっと喜んでよ(笑)分かったのに、ため息って。。。もう少し俺を喜ばせるくらいの思いやりがあってもいいだろーが」
人と同じようにできない
これは中学生にとって、とてもストレスになるし、ある意味では間違った劣等感を抱かせることにもつながるんです。
仕方ないので。。。特別サービスで、私の昔話をしました。
私は塾の仕事を始めた時に「決定的な欠陥」を抱えていました。
(と感じていた)
それは、「生徒の成績を伸ばせない」ということです。
授業をすれば「面白い!分かり易い」と言って喜んでくれます。
日頃からいろんな話しを生徒がしてくれるし、明らかに私を慕ってくれていることは実感できました。
でも
その子達の成績を上げることができていない。。。。
もう、塾人としての存在価値を否定されたようなものです。
もちろん、まわりに助けを求めました。
「過去の定期試験のプリントがあるでしょ。そこから、その先生の癖を見抜くんだよ。予想問題作って、そればっかりやらせるだけでも点数なんて簡単に上がるから」
当時の私は、その言葉にすがるような思いで、「定期試験の過去問」を分析して予想問題を作りました。
その結果。。。。
もう「笑うしかない」という程、当たらない。。。
学生のアルバイト講師が作った「予想問題」の方がよっぽど当たる。
やってもやってもうまくいかない。。。
まわりも「なんで、こんな事ができないのか?」という疑問。。。
この時は、本当に塾の仕事を続けていてはいけない人間なのではないかと思いました。
「それで、先生はどうしたんですか?」
「うーん。。。そりゃ、お前が良く知ってんだろ^^」
「ああ、まあ、そうですね。」
「今までやったことがないくらい、勉強させる事にした。だって、俺にはね。お前らの点数を一瞬にして上げるような技術はないんだから。勉強と真正面から向き合うことにしたの。今までの2倍の勉強をして成績が上がらない訳がないんだからね。」
「それが前回の私ですか?」
「そそ♪。前々回から合計100点アップ、前回から80点アップ。こんなに強烈に成績が上がった奴も珍しいよ。ま、それだけお前が頑張ったという事なんだけどね。」
「・・・・」
「俺はあの時の予想問題が当たらなくてよかったと思う。だって、あれが当たってたら俺の考えはおかしな方向に行ってたからね。お前らが最高の努力をして、最高の結果を得る。それが本筋だろ。俺の技術に頼って点数あげても、君らの将来にはなんのプラスにもならんよ」
「私はどうしたらいいんですか?」
「1つは焦らないこと。あともう1つ。いいか。他の人みたいにできない事は、お前の強みになる。できない事をどう乗り越えるのか。それが、お前の強みになるし、お前の個性になるんだよ。とりあえず、今日やったことを完璧にマスターしとけよ。続きはその後で話すから」
こればかりはいつも思うんです。
「個性」と「強み」は。。。「できない事」の裏にあるんです。
「なんで他の人みたいにできないんだ!!」
その憤りにぶつかる生徒を見る度に嬉しくなります。
(その先に、本当のお前がいるんだよ)
そう、心のなかでつぶやくんです。
子供達が「本当の強さ」を手に入れる瞬間です。
受験勉強では、必ず「弱い自分」「不甲斐ない自分」と対峙することになります。
それが良いんです!
そこを突き抜けた子だけが手に入れられる「本当の自分」があります。
さて、新受験生達は私に休息の間を与える気はないようです(笑)
すでにいろんな「悩み」がもやもやし始めています。
正解なんて与えません。
「もやもや」を存分に味わってほしい。
それが君の人生を変える1年につながるから。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
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