記憶に関する非常識な真実

つばめ学院の関口です。

 

先日、教室で話しをした事について書いてみようと思います。

 

記憶のメカニズムに関する「大いなる誤解」とでもいうべき内容です。

 

 

シンプルな質問をしましょう。

 

 

A.「たくさんの事を記憶しておく」

 

B.「少しの事を記憶しておく」

 

簡単なのはどちらでしょうか?

 

 

当然ですが、ほとんどの子は”B”と答えます。

 

 

そして、不正解です^^;

 

 

まず、ちょっと前提だけを明確にします。

 

この場合に前提にしたいのは、「英単語を覚える」「漢字を覚える」「地理を覚える」etc… すべて長期記憶と言われるものを対象にします。

 

一夜漬けのような短期記憶とは別のものです。

 

 

 

さて、その長期記憶。実際はどんなメカニズムで説明されるのでしょうか。

 

↓こちらの説明は分かり易いです。

http://www.scj.go.jp/omoshiro/kioku2/

 

 

記憶は脳内にあるニューロンと呼ばれる神経細胞のネットワークで説明できます。

 

ネットワークが太くなったり、結びつきの数が多くなることが「強く記憶された」と考えられています。

 

 

さて、その理屈を応用すると、「多くの事を知ること」が記憶を定着させることに繋がるはずです。

 

 

授業前の話しでは簡単な「例」を出して説明しました。

 

 

 

「さて、では例として”山口県”を上げてみようか。」

 

クラスがざわざわします

 

「では山口県と聞いて何が思い浮かぶかな?」

 

山口県民のみなさまごめんなさい。

 

本当に、、、見事に、、、何も反応がありませんでした。

 

いろいろ話しをふるのですが、ほとんどの子は「場所」すらまともに答えられない状況。

 

 

そこで、そんな子達にいろんな「山口県」を入れていきます。

 

「場所は?本州の一番西にあるよ。端っこだね。すぐ向こうが九州地方。」

 

「俺はねぇ、やっぱり山口県と言えば「ふぐ」だわな。」

 

「ふぐがとれるのは? 下関って周辺の海ね。”下関のふぐ”覚えておけよ〜」

 

「下関って、昔は別の名前で呼ばれていたの知ってる?”壇ノ浦”だ。壇ノ浦って聞くと何か分かるやついるか?」

 

さすがは、壇ノ浦。これには生徒が反応します。

 

「壇ノ浦の戦い!」

 

「そのとーり^^ 平家が滅びたのがこの下関・壇ノ浦の海だったよね」

 

「ところで、この山口県。実は総理大臣を一番輩出している県だって知ってる?」

 

「えー!!なんでぇ!マニアックな県なのに」

(山口県民のみなさま、重ね重ね申し訳ありません。。。塾生の生の声なので)

 

「でも、絶対に理由があると思わない?」

 

「山口県民は頭がいい!」

 

「うーん。。。それもあるかもしれない。1つの理解としてはね。山口県って、その前は何て名前だった?」

 

「。。。」

 

「お前ら。。。勉強しろよ。長州藩ね。」

 

「あー!!知ってる!」

 

「うん。反応がバカっぽいからもう少し落ち着こうね。で、長州藩は薩摩藩と一緒に徳川幕府と戦ったので、明治の新政府を作るときには、たくさんの良いポストをもらったわけだ。初代総理大臣は?」

 

「伊藤博文!」

 

「おぉ、さすが中3。大正解。で、その伊藤博文も長州藩の出身ね。だから、初期の総理大臣は長州藩からの人が何人もいるのね。これが理由の全てじゃないけど、山口県出身の総理大臣が多い理由の1つではあるよね。」

 

 

そんな話しをする前後で、「山口県」に関する情報は確実に増えています。

 

それでも、生徒たちはきっと「忘れにくくなるはず」なんです。どの知識に関しても。

 

知識同士をつなげることで、「脳のネットワーク」が強化されますから。

 

 

 

最後に「記憶」に関する大切な指針を伝えました。

 

「いいか。何かを覚える時に、覚えにくいって感じるときがあるだろ。その時ってのはね。情報が多くて覚えられないんじゃな。情報が足りないから覚えにくいの。歴史が覚えにくいなら、そこにいる人物についてもっと調べれば良い。漢字が覚えにくいなら、形の似たもの。部首違いのものを集めればいい。その違いを比べることでより覚えやすくなる。英単語なら反意語、名詞形、形容詞形、副詞形を集めてみる。そうやって情報を深掘りするんだよ。」

 

「脳のネットワークを強化する。これが、記憶を強くする絶対方針だから。真反対に勘違いしている奴らをぶち抜けるぜ!」

 

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。