夢を売ってます

つばめ学院の関口です。

 

本日も朝から晩まで、生徒面談ラッシュでした^^

 

今日でなんとか25人との面談が終わりました。この面談で痛感したことが今日のテーマです。

 

 

気付いてしまったんです。

 

自分の仕事は「夢を売る商売」だったんだということに。

 

 

この面談ほど、「IT-コンサル-塾人」という自分のキャリアが活かされる経験はないかもしれません。

 

では、順を追って書いていきますね。

 

 

中間試験の「作戦会議」とはいえ、まずは「志望校」の確定から始めます。

 

特に中1生は「何も知らない状態」からのスタートなんで、国立大学と私立大学の違いから説明します。

 

そして、それぞれどんな大学に進学したいかが決まり、それに見合う高校が志望校として決まります。

 

その高校に合格するために必要な偏差値や内申点が必要かを固めて、今回の中間試験の目標点が分かります。

 

そして、そのために「いつまでに、何をするのか」具体的に相談して決めていきます。

 

できた計画表は、「未来」につながる「夢の地図」なんです。

 

 

どんな子に志望校を聞いても、答えは2通りです。

 

「まだ、分かりません」

 

 

「○○高校、、、かな(ちょっと頑張れば受かりそうなところ)]

 

そこでツッコミをいれます。

 

「え?そこで良いの?本当に?どこでも行けるってなってもそこに行きたいの?それならいいけど」

 

「じゃあ、先生はどこが良いと思いますか?」

 

「とりあえず、○○高校」

 

「僕の成績で入れるんですか?」

 

「いや、入れない(笑)。なんで、今のお前の成績で入れる高校を選んでやらないといけないの?まだ全力で勉強しきれてないだろ?入れるように学力あげろよ。」

 

「できますかね。。。」

 

「できるよ。っつーか、やれよ。あのね、手に入りそうなものを選ぶんじゃなくてね、欲しいものを決めてから、足りないものを明らかにするんだよ。で、足りないものを補うためにどうすれば良いかを全力で考えるんだよ。そのために俺がいるんだろ?なめんな。こっちは本気で考えるんだから、お前は本気で素直に言えよ」

 

 

ここ数日はひたすら、そんなやりとりです。

 

特に象徴的な子のやりとりがあるので、書いておきます。笑えます。

 

 

 

その子はこの春に、見事に私立中学に特待生合格し、その後も塾に残ってくれた子です。

 

中1の最初の中間試験の計画表の一行目は、「志望校」なので大学名を書かざるをえません(笑)

(中高一貫なんで。。。)

 

大学の話しを一通り説明した後に、話しをします。

 

「お前、将来なにやりたいか、だいたいでもいいけど決めた?」

 

「あ、はい。モノ作るのが好きなんで、そういうのがやりたいです。」

 

「いいじゃん、いいじゃん♪何つくるかまだ決めてないんだね。」

 

「そこまでは。。。」

 

「車とか、飛行機とか、時計とか、コンピューターとか。。。んな感じ?」「まあ、そんな感じです」

 

「りょーかい」

 

「うーん。。。じゃあね、東京大学工学部でどう?」

 

「は?東大ですか?」「うん^^ 東大」

 

「とりえず、まだ一行目だから書いておくよ。東大工学部。。。と。」

 

「え?え??あの、、、ちょっと、僕、東大とか考えたこともないんですけど」

 

「は?何言ってんだよ。だから、今から俺と考えるんだろが。アホかお前は」

 

「東大。。。行けるんですか?」

 

「お前が行けないと思う理由を教えてくれよ。その後におれが行けると思う理由を説明する。」

 

「理由なんて、、、考えたことないけど。日本で一番難しい大学だと思うから。。。僕はそんなじゃないし」

 

「ありがとう。お前、素直だな。でも頭使ってねーよ(笑)。自分の学校のウェブサイト見たことねーだろ。高校部の。いま見せてやるよ。進学実績ってやつを。」

 

進学実績を一緒に確認。。。特進クラスの人数、公開されている実数を比較。

 

「分かったことをまとめるぞ。お前のいる特進クラス、そのうちトップ1/3に入れれば、国立大学への進学が射程圏内に入ることは分かったな。そして、国立の中でもさっき説明した旧帝大に入るためには、トップの5人に入れば、学校の実績としては、合格する実績は出てるね。」

 

「はあ、それは、まあ。でも、特進クラスなかでトップの5人に入らないといけないんですよね?それはちょっと。。。」

 

「。。。お前は恐ろしくアホな奴だな。。。もう忘れたの?受験した時に過去問解いただろ?で、2年前の過去問でお前なにやったの?その年の合格最高点を10点上回ったんだよ。忘れんなよ、そういう大事なことは。つまり、その年にお前が受験したら、ぶっちぎのトップ合格だったんだよ。分かるか?今年はちょっと違ったかもしれないけど、お前はぶっちぎりで1番になる可能性が十分にあった。そうだろ」

 

「はあ、それは受験の後に先生に言われました。確かに。」

 

「だーかーらー!!お前は5番以内に入るなんて、当然!!俺が入らなくてどうするくらいの気持ちを持て。というか、その気持がなかったら、どんどん下にいくだけだろが!!」

 

謙虚なことは結構ですが、それが若者の夢と希望をぶち壊す可能性があることも、また事実です。

 

そんな話の後に、実際の実行計画をたてていきます。

 

 

この仕事を志した初心を思い出しました。。。

 

「君たちの将来に夢も希望もある」

 

それを伝えたかった。

 

 

まさに「夢を去勢された」状態の子に「志望校は?」というのは、愚問。

 

それより、「お前はここに行け!成績が上がったら、もっと上方修正する」

 

という決め付けの方が、今の子たちには、よほど「現実的な夢」を持たせてあげられるのかもしれません。

 

 

25人の面談を終え、みな「清々しい顔で帰ってくれます。」

 

それは、「予想もしなかった志望校を、勝手に決められ、そこに至る具体的な計画を提示された」からにほかならないと感じています。

 

 

だからこそ気づいたんです。

 

この「夢を去勢された」時代において

 

「本物の塾は、夢を売る仕事」

 

なのだということに。

 

 

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。