つばめ学院の関口です。
今日は「勉強」がもたらす副次的な効果について書きます。
もし、これを読んで下さっているあなたが、これまで全く運動をしてこなかったとします。
そして、ご友人から「今度、一緒にテニスをはじめよう」と誘われたと思って下さい。
どうでしょうか?
すぐに、「それはいいね」と言えますか?
おそらく、「いや、テニスなんて全くやったことがないし」
と友人に伝えるでしょう。
すると、「大丈夫。みんなほとんど素人みたいなもんだし。中に一人、すごく上手な人がいて、しっかり基礎から教えてくれるよ。何より、本当にテニスって面白いから」
そう返されました。
いかがでしょうか?
それでも、「やってみたい」と思えますか?
ここで感じるのが「初動のハードル」です。
(私の造語ですが)
「初動のハードル」というものは、不思議なもので、全ての人に存在するわけではないんです。
「ある特定の人にだけ存在する」そんな不思議なハードルです。
運動経験がある人は、運動の楽しさを知っています。そして、自分の身体の動かし方もある程度分かっています。
そういう人が新しく運動を始める時には、「初動のハードル」を感じにくいものです。
ちょっと別の例で、本題に近づきましょう。
大学時代に私が懇意にしていた友人で、ちょっと変わった男がいました。
彼は立教大学の文学部史学科に在籍しており、大学院まで進学しました。
(平たく言うと、まったく潰しが効かない学問を本気でやってしまい、あげく就職には不利な可能性のある文学部の大学院に金を払ってまで進学したヤツ。ということです)
彼は私に「本の楽しみ方」や「文学の面白さ」を教えてくれた人間です。
私が「最近、こんな事考えてるんだよね。。。」と話すと、「それなら、これを読んでみるといい」と。
まるで、医者に問診を受けているように、次々と私の本を薦めてきます。
言われるままに読んでみると、非常に面白い。というか、絶妙に私の考えの「ど真ん中」を外して、新たな視点を吹き込むような本を瞬時に見定めるんです。
ある日、彼に私の別の友人のことを話しました。
そして、「その友人に本を薦めるとしたら何が良いと思うか」と訪ねました。
返答は意外なものでした。
彼は少し考え、眉をひそめました。。。。そして
「ない」
と一言。
「おいおい、ないってことはないだろ。ひどいなぁ。お前が教えてくれたら、そいつだって喜んで読むと思うぞ。」
「いや、俺はそうは思わない。だって、その友達って奴はさ、月に1冊も本を読まないんだろ?悪いけど、文字を読むことに苦痛を感じる人間が面白いと思う本なんて、俺は知らん。だから、ない、と言っただけだ。意地悪じゃない。」
彼の言うことはお分かり頂けましたでしょうか。
上記の2つの共通点は何か?
「内容」に至る前に「行動する」こと自体に抵抗を感じることなんです。
つまり、「運動する」こと自体に抵抗する人は、どんなものでも「楽しそうかどうか」だけで純粋に判断することができません。
「文字を読む」こと自体がキツい人は、どんな本でも「何が書いてあるのか」という中身に関心がいきません。そもそも「読む」行為に疲れてしまいます。
勉強も同じことなんです
世の中は猛烈な勢いで変化しています。
一度身に付けた知識や考え方は、いつの間にか古い考え方になっていることもしばしばです。
その時に、「面白そう」や「知りたいな」という純粋な動機だけで動けるためには、勉強に対する「初動のハードル」をなくしておく必要があります。
それは、学生時代に十分な学習をしてきた人ならば、かなり小さくすることができます。
例えば、最近の私の気になり事として頭の中にすぐに浮かぶ範囲では。。。
・起業
・教育経済学
・教育社会学
・オンライン英会話
・アドラー心理学
・Iot
・FinTech
・クラウドファンディング
・ブログ、note、(SNS)
・コンテンツマーケティング
etc…
いろいろとあります。私も全てをちゃんと理解している事ではないですが、少なくともそれらが「何もの」なのかを明らかにして、自分にどう取り込んで、どう変化させるのかを考えることができます。
実際に日々の生活に取り組んだものもあります。
ここに「初動のハードル」は存在しません。
「あっ」と思ったらすぐに検索を始めて、本があれば購入します。本は翌日には手元に届きます。
変化の激しい時代に、「初動」でもたつくと非常に大きな損(機会損失)をします。
中高生のうちに、勉強にしっかり取り組んでいくこと。それは「初動のハードル」を徹底的に小さくすることができます。
これは多くの生徒を見てきたなかで、確信を持って言えます。
「今ある職業の多くは近い将来コンピューターに代替される」
などと言われる時代です。
逆を言えば、「今は想像もつかない職業が近い将来には当たり前の仕事になる」こともあり得ます。
お子さんが大学を卒業する時。。。
お子さんにとって、「最も向いている」職業は、まだこの世に存在していないかもしれませんね。
そういう「天職」に出会うために、いまからできることは「初動のハードル」をなくしていくことなんじゃないかと思います。
お子さんの目の前に「初動のハードル」はありますか?
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
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