つばめ学院の関口です。
今日は「学びの本質」を体現している子について書きます。
実践してくれているのは小6の女の子です。
特に「ウチのコは勉強が苦手で」というように感じておられる小学生の保護者に読んで頂きたいんです。
とても素敵な気持ちになれると思いますよ。
では、本題。
その子はごく「普通の子」だと思っています。
「特別に理解力が高い」というわけではなく、「特別に勉強が好き」というほどでもないです。
ただし、彼女が優れているのは、「納得がいかないと考える」ということができるんです。
「え?なんで?そんなの意味ないじゃん。」
なんて(笑)
もう一つ、他の子と違うことをお伝えします。
彼女はつばめ学院ができた当初から通ってくれているので、つばめ学院が推奨している「先取り学習」をガンガン進めています。
今は、普通の中1より少し先に行っています。
つまり、今度の期末試験の範囲よりちょっと先です。
上記の2つが重なると、「学びの本質」を取り戻すことができます。
彼女の質問は、常に「本質的」なんです。
「先生!なんで、マイナスにマイナスかけるとプラスになるんですか?っていうか、マイナスにマイナスかけるって何なんですか?」
「先生!なんで、aとかbとか変な文字使わないといけないんですか?こんなのいらないですよ」
どうでしょうか?
こういう疑問に真っ向から答えられるでしょうか。
というより、そんな余裕はあるのでしょうか。
中学の教育現場では、なかなかそういう事を説明する時間がとりにくいのが現状です。
ところが、彼女は小学生です。
定期試験もなければ、急ぐ理由もありません。
本質的な質問には、真正面から答える時間があります。
例えば文字式
「あのさ、正方形があるじゃん。一辺が10cmってことにするね。一周で何cm?」
「えーっと、40cmでしょ。」
「正解!!いいね。じゃあ、数字大きくするよ。いい?一辺が125cmになったとしよう。どうだ!」
「(笑)先生、そんなの一緒じゃん。4倍して500cmだよ」
「え!まじ?じゃあ、もっと難しくするぞ。333cmでどうだ!!」
「うーんと、4倍するから1332cm。先生、さっきから変だよ。全部計算同じなのにさ。」
「おぉ!さすが天才(笑)その通りなんだよね。いまの話に長さは関係ないよね。一周したら、一辺の4倍。それが大切な事でしょ。いちいち、”5cmのときは?”とか”173cmのときは?”とか聞いてくるやついたら、うぜーだろ?」
「うざい」
「はい。正直者ですね。でも、もし本当にそういう友達がいたら、”お前うざい”とか言わないでね。相手が傷つくから」
「私、そんな事いいません!」
「じゃあ、正直なうえに優しさもあるわけね。おっけー。で、話を戻すとさ、、、今の話って、正方形の一周は一辺の4倍になるって言えればいいでしょ。で、それを数字でやり続けるかぎり、”じゃあ他の数字は?”っていいうウザいやつがでる可能性があるでしょ。」
「それは分かる」
「それが分かればしめたもの。そういうウザい思いをしなくて良いように、文字式があるわけよ。」
いかがでしょうか。
こういうやり取りは、「学び」の本質ではありますが、全ての生徒にできるわけではありません。
「能力がないから」
ではないんです。「時間がないから」です。
小学生のカリキュラムを前倒すことで、時間の余裕が生まれます。
その時間に、対話を交えつつ「本質」に生徒を導くことができるんです。
小学生の「先取り教育」というと、どいうしても「英才教育」や「エリート教育」という印象が否めません。
でも、実はそんな事ないんです。
「普通の子」が「普通に気になる」本質的な疑問に徹底的につきあう余力が生まれるんです。
「いいから、とにかく覚えて」
というのは、緊急治療では必要ですが、教育の本質ではありません。
小学生の早いうちから、やればやるほど本質に近づけます。
良い悪いは別として、それがいまの日本の制度なんです。
お子さんが勉強に対して「どういう印象を持つのか?」実は、その結果の多くはご家庭の大人が決めているんです。
最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。
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