それ「頑張って」ないから

つばめ学院の関口です。

 

授業が終わって、1人の先生と話をしました。

 

少し経験が浅めの先生に、伝えておきたいことがあったので。。。。

 

 

今日は私がある生徒を授業後に残しました。

 

その生徒は先週の授業で宿題が未達でした。

 

私にボロボロに怒鳴られて、「次回までに必ずやってこい」という指示のもと、追加された宿題をもって帰り今日に至ります。

 

結局、今日も宿題の一部が未達でした。

 

かつ、私に追求されるまで「未達」に気づかないふりをする。

 

「気付いてないわけ無いだろが!!今日、この教室に入って真っ先に報告して、真っ先に怒られないといけないんだよ!」

 

と、また今日も怒られる。。。

 

そして、今日は居残り命令。

 

誤解して欲しくないのですが、こういう子って、「悪い子」じゃないんです。普通に「いい感じの子」です。

 

ただ、悲しい事ですが。。。

 

どこかのタイミングで、ごまかしたり、隠したり。それが大人の目ををうまいことくぐり抜けてしまう経験をしてしまうと、それが身にしみこんでしまっているだけなんです。

 

だから、今日もあれやこれやの言い訳が続きます。でも、その子を責めるのはかわいそうです。

 

いや、怒りますけどね。

 

「あのね、いつやろうとしたとか、忙しかったとか、学校が遅くなったとか、、、、どーーーでもいい!!俺は、今日までの約束が、今日のこの時点で守られていない事がダメだって言ってるだけなの!!やれ!!」

 

居残りでやる子に、、、生徒の人望もあり心優しいA先生がいろいろと声がけをします。

 

少し見ていると、「ちょっと楽しそうな雰囲気」すら出てきた。

 

それとなく、A先生を引き離す作戦を敢行するも、またその子が気になる様子。。。。

 

そんなこんなを経て、授業後はA先生と反省会。

 

「A先生、ラストコマの動きは次から変えていこうか」

 

「え?」

 

「○○さんの事ね。あれは、あの子にとって良くない。」

なんで、あの子はあの時間に残ってたの?」

 

「宿題をやってきていないからですよね?関口先生が注意されていたように。」

 

「うん。注意というか怒鳴ってたんだけどね(笑)。でね、あの子は本来は、ラストコマに居てはいけない子なんだよ。自分のけじめをつけるために、残された。だから、本来なら一心不乱にやるべき事をやらねばならない。」

 

「でも、あの子は放っておくと、全く分かっていなくて、手が出ない様子だったので。。。」

 

「放っておけばいいよ。」

 

「いいんですか?それで。」

 

「俺が先生にお金をお支払するのは、残された生徒のフォローをするためじゃなくてね。そのコマの授業にいる子のために尽くして欲しいからなの。確かに、あの時間、正規の受講生はみんな集中して、粛々とやるべき事をやってくれていた。それでも、本当に大丈夫か?困ったことはないか?できているのか?を見るべきだったんだよね。今日は代わりに俺が見てた。」

 

「すいません。でも、あの子を放っておいたらどうなっていたんでしょうか?」

 

「そりゃ、分からん。でも、手が止まったら「ちゃんとやれ」って言えば良いよ。分からないならピンポイントで教えてもいい。でもね。宿題だぜ。授業で分かった事と同じことしか宿題に出してないんだよ。おかしいでしょ。分からない、は。」

 

「はあ」

 

「事実、ドリル教材やってたけど、その机のうえにテキストが出てなかったよ」

 

「あ、そうかもしれないです。」

 

「なんでか分かる?」

 

「。。。。いえ、分かりません」

 

「君が教えたからだよ。じっとペンを止めて待ってると、優しい先生が来て教えてくれる。うん、うん。ってその場で理解してると宿題が進む。そりゃ、テキスト引っ張り出して、自分で考えるよりラクだろ。」

 

「あ、、、」

 

「A先生は生徒の事を一生懸命に考えてくれるから、今日の行動に出たんだし、それは決して責られるべき事ではないよ。でもね、俺たちは生徒の成長を第一に考える仕事なんだし、それなら、あんとき、あの子はのたうちまわってでも苦しむ方が良かったかもね。」

 

「すいませんでした、出過ぎた事をしました。」

 

「いや、出過ぎてないから(笑)。もっと生徒の事を思って行動してよ。あの子に関しては、今日の俺の課題は「大人は絶対に欺けない」を分かってくれればOKなの。学習効果はこの後、きっちりやってもらうよ。」

 

「だから残したんですか?」

 

「そう。あ、ちなみに、あの子が今日、頑張ったとか思ったら、先生の感覚ずれてるからね。」

 

「え?頑張ったじゃないですか。授業が終わって、さらに残って遅くまで。。。」

 

「じゃあ、今日の宿題を今日までに必死でやりきった奴の頑張りは?それ評価してる?目の前でつらそうにいしている奴が頑張っているんじゃないよ。あいつは、今日、当たり前の事を遅れてやらされただけ。そこはちゃんと判断しないと。あれを頑張ったとか評価すると、あいつの人生おかしくなるよ。「頑張る」の意味を間違えるから。俺たちが絶対にしてはいけない事だよね。お金を頂いて、生徒を弱くするなんて」

 

 

 

そんなやりとりをしました。

 

 

 

最後に言ったAを先生の言葉が印象的です。

 

「生徒を教育する仕事って。。。難しいですね。」

 

「あは(笑)。難しくないけど、深いよ。だから楽しくてやめらんなくなる。これからもヨロシクね♪」

 

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。