「逃げる」は素晴らしい

つばめ学院の関口です。

 

 

大変痛ましい事件がありました。

 

 

【電通過労自殺】「100時間の残業、驚く数字ではない」現役社員が思うこと【電通過労自殺】「100時間の残業、驚く数字ではない」現役社員が思うこと

 

 

この件について、昨日の塾の「小話」で生徒に話をしました。

 

どうしても伝えておきたい事があったからです。

 

こういう事件に対して有効な予防線をはれるのは、もしかすると塾くらいなのかもしれないとすら思ったんです。

 

絶対に知っておいて欲しいこと、それが「逃げる」という事の大切さなんです。

 

 

 

 

「・・・って、みんな知ってるかもしれないけど、こんな事件でしたと。どう思う?」

 

「かわいそー!」「信じられない」「上司がムカつく」

 

「ふんふん。まあ、そうだよね。分かる。でね、こういう話がみんなにも起こりうることだって事は知っておいて欲しいんだ。」

 

「・・・・」

 

「この高橋さんはさ、東大出てるわけ。まあ、頭が良いよね。で、電通って会社をみんなは知らないかもしれないけど、超人気会社なのね。就職先としては。テレビのCMとか作るから、なんか面白そうじゃん。」

 

「やりたいー!」

 

「だろ(笑)。俺がすげー気になるのはね、この人が自殺する前に「仕事に行きたくない」って何度も書いてることなの。仕事イヤだったんだよ。分かる?イヤなら行かなくていいの。辞めていいの。逃げたほうがいいの。そういう事を誰からも言われなかったのかもなって思って悲しくなったのよ。だから、君らには言っておくよ。」

 

「イヤな事から逃げていいの?」

 

「イヤなら逃げろよ。そんで、やりたい事をしっかりやりなよ。その「やりたい事」でしっかり人の役にたつために、今の勉強を頑張ってるんだろ。勉強が死にたくなるほどイヤなら逃げればいい。そんで、他の事でしっかり頑張れよ。」

「言いたいことはね、頭が使えて、良い奴で、素直であれば・・・絶対に生きていけるから。仕事なんて辞めたって人生終わらないぜ。みんな真面目だからさ、困難があると真っ向勝負しようとするだろ?勝てるなら良いよ、乗り越えれば。でも勝ち見込みがないなら、逃げるもあり。それで君たちの価値が下がるなんてないから。人生、なんとでもなる。」

 

 

生徒達を見ていつも気がかりな事があります。

 

それは、「自分は大丈夫」「俺(私)なら、きっとできる」という意識が本当に低い事です。

 

こういう自分の根底を支える自信には根拠なんていらないと思うんです。

 

もちろん、実生活の経験を積んでより根拠を強くする事もあるでしょう。

 

でも、スタート時点では「無根拠」でいいんです。

 

根拠もなく自信がある。って、素晴らしいです。

 

究極的に人の生命を支えるような自信というのは、根拠がないほうが良いと思っています。

 

今回の事件の高橋さんがどうであったかは知りません。

 

ただ、この悲しい事件をうけて、子供達には「根拠のない自信」をまず持って、それをさらに強化するための成功体験をたくさん積んで欲しいと願わずにはいられません。

(ちなみに、失敗体験もまた大きな自信になります)

 

是非ご家庭でも、お子さんの「良きこと」を見つける達人としての親を意識して頂ければと感じました。

 

最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。