2017年11月15日
Vol.697
つばめ学院の関口です。
お子さんには、是非とも感性豊かに育ってもらいたいですよね。
その「感性」を育てるために勉強が有効だと言って納得して頂けるでしょうか?
感性を育てるには、美術や音楽といった芸術こそ有効だと思っている方は多いと思います。
もちろん芸術が持つ力を否定するつもりはありません。
ただ、勉強にだって感性を豊かにする力があるんです。
言葉を知らないと感じることができない
小学生くらいの子とお話をすると、感情と言葉の関係を良く理解できていない子が多いです。
(もちろん、知らないだけですが)
どう考えているかと言えば、「感情が先、言葉は後」だと思っているんですね。
うれしい気持ちが先にあって、その後に「うれしい」という言葉がある。
赤い色が先にあって、「赤い」という言葉がある。
実際はそうでない事も多いはずです。
「言葉が先」で、その言葉を知っているからこそ「感じる」ことができる。
言葉にはそういう力があるんです。
先程の色で例えるならば、
「赤色」「朱色」「ワインレッド」というような言葉を知っていれば、それぞれを違う色として感じることができます。
知らないと全部「あか」です。
「朱色」を認識できるか、全部が「あか」に見えるのか。
言葉はまさに「その子の世界の認識を変える」のだと思っています。
言葉が認識を変えている
生徒にはできるだけ多くの言葉を知って欲しいと思っています。
それは、「知識を増やす」という事ではなく、「世界の感じ方を豊かにする」という事だからです。
「途方に暮れる」という言葉を知らない人が、途方に暮れることはできません。
ただ、「マジで凹む」だけです。
指数関数を知らない人が、「指数関数的な増加」を実感することはできません。
ただ、「めっちゃ増えてる」と思うだけです。
「逆鱗」を知らない人の、逆鱗に触れることはできません。
ただ、「チョームカつく」だけです。
人の認識は「言葉」が先行する事は確実にあります。
「侘しい」と「寂しい」を使い分けない子が、侘しさと寂しさを感じ分けるあり得ません。
言葉が増えるという事は、感性が豊かになる事につながるのではないでしょうか。
マジでやばい
以前、NHKのテレビで面白い実験をしていました。
スペインの「トマト祭り」の映像を2人の女の子が見て感想を言うというものです。
「トマト祭り」はご存知の方も多いかもしれませんが、街中の人がトマトをぶつけ合うお祭りです。
人も街もトマトで真っ赤に染まるお祭りなんですね。
そのお祭り映像をみた2人は、
「やばい!マジでやばい!」を連発します。
2人は「やばい」という感想で一致して大盛り上がりです。
その後、2人に別々に感想を聞きます。
「やばい」の内容を詳しく教えてもらいたいと言って、話を聞きます。そしてそれぞれが、
「みんながトマトを投げ合って面白そうだった。私もやってみたい。」
「トマトでグチョグチョになった人や街を見て気持ち悪かった。絶対に行きたくない」
と、正反対の感想を述べました。
不思議ですよね。
正反対の感想を持った2人は、「やばいね!」と同じ言葉を言いながら盛り上がり、正反対の感想を抱いていました。
私が注目したのは、2人が正確な表現をしていないという事ではありません。
全く異なる感情が、「やばい」という1つの言葉で表現された事です。
つまり、全く異なる感情であるはずの事が、「やばい」という1つの感情になってしまうのではないか。
そういう感性を塗りつぶすような事に悲しさを感じました。
お子さんは何でも「やばい」で片付けていませんか。
それって、、、やばいですよ。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
試験一週間前になりました。
この日は一週間の中でも、一番空席のある曜日なのですが、、、
あっという間に自習生で満席になりました。
本当にありがたい限りです。
特に受験生はマスク着用を徹底してもらいたいです。なにせ密集度が半端ではない環境なので。
さあ、この熱気を力に変えて期末試験を戦い抜こう!