誰のための勉強?

2018年2月5日

Vol.724

 

つばめ学院の関口です。

 

「勉強は誰のためにするものですか?」

こんな質問をお子さんにしてみて下さい。

 

 

悪い事はしていない

今日の結論から少し離れたところからお話を始めます。

 

塾の生徒と話しているといろいろと面白い発見もあるんです。

それが、「悪い事はしていないのに」という考えの強さなんです。

小中学生と話しをしていると良く出る言葉なんですね。

 

「私、なんにも悪いことしてないのにひどくない?」

 

という台詞です。

なんか、「かわいらしい」なぁと思って聞いてしまうのですが。

 

未熟な学生の子の中にあるのは、

悪い事をしたら悪い事が起きる

悪い事をしていなければ悪い事は起きない

という思考です。

 

もちろん、頭から否定する必要はないのですが、これが大人になるまで放置されると問題です。

 

 

ダメな大人の発想

以前に「東京難民」という小説を読みました。

最近では「闇金ウシジマくん」という漫画を読んだりしています。

 

どちらも、「どこにでもいそうな人」がものすごい勢いで転落してしまうお話です。

そのスピード感とリアリティが読者に受け入れられた理由だろうと思います。

 

そして、こういった「転落物語」に出てくる「普通の人」の発想が、まさに

「俺は何も悪いことしてないのに!」

という考えです。

 

別に「そんなに悪い事」はしてないけど、「良い事(誰かの役にたくこと)は全くしていない」。

結果として誰からも必要とされなくなってしまう。

 

これは冷静に見れば簡単なお話ですが、当事者になると簡単には考えられない事だと思います。

 

 

善き事をなす

「学校」という世界では、「悪い事をしない」という事が1つの評価です。

「社会」という世界では、「誰かに喜んでもらえるか」という事が1つの評価です。

 

実は「悪い事をしない」というのは、当たり前の事であって「評価される事」ではないです。

 

この事を理解できないまま大人になる事はあきらかな「不幸」です。

 

勉強は「自分」のためにするものではありません。

いつかどこかで出会う「誰か」を幸せにするためにするのです。

 

だから、「怒られない程度にやれば良い」ものではありません。

「誰か」を幸せにできる程度を目標にしなければいけません。

 

「自分のため」に英語の勉強をする子は、次の単語テストで「再テスト」を回避するために単語を覚えます。

だから、「再テスト」を回避できた瞬間に覚えた事を忘れます。

 

「誰かのため」に英語を勉強する子は、その将来に「英語を使って」何かをするために単語を覚えます。

単語テストが終わってから忘れてしまっては意味がないです。

「覚える」ために「単語テスト」を利用します。

 

社会に出た時に、、、

「善き事をする」人でなければ評価はされません。

どんなに厳しくてもそれが現実です。

 

「悪い事をしない」人が懸命に生きていたとしても「評価」はされません。

 

そして、これからの日本という社会は、よりその傾向が強くなることは、この文章を読んでいる全ての人が感じていることだと思います。

 

「良い、悪い」は別として、事実はそうだという事です。

 

勉強が「自分の人生の充実」という価値を生み出す事もありますが、今日の論点はそこではありません。

 

勉強は「誰かの役に立てる」ためにやる。

そういう観点を持ってみることは大切です。

「誰かを幸せにできる勉強」という考えが、もしかするとお子さんのモチベーションのスイッチを入れることになるかもしれません。

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。


2月4日(日)に漢字検定を準会場として実施しました。

 

漢字検定はなんと言っても参加者が一番多い検定です。

 

算数・数学検定は、生徒が一番前向きに取り組んでくれる検定のように思います。

(飛び級の影響もあると重ますが)

 

英検は保護者の方が一番熱心な検定という感じです。

 

検定によって、いろいろな傾向があって興味深いですね。