忘れない暗記の極意

2018年2月19日

Vol.728

 

つばめ学院の関口です。

 

今日は「記憶」に関するお話を書きます。

この4月に中学入学をひかえている小6生のご家庭に是非!

「なかなか覚えられなくて・・・」というお子さんに、暗記のコツを教えてあげて下さい。

 

 

はじめてのおつかい

塾生によくする「例え話」があります。

今日のブログではそのお話から始めますね。

 

「はじめてのおつかい」で幼稚園児に買い物をしてきてもらいましょう。

行き先は、、、近くのコンビニにします。

買ってきてもらうものを

「牛乳、新聞、オレンジジュース、ノート」

の4つだとします。

 

さて、幼稚園児はこのつながりのない4つの品物を覚えて買ってこられるでしょうか?

 

ちょっと難しそうですよね。

条件を変えましょう。

 

「お母さんが今晩、シチューを作りたいけど牛乳をきらして困っているから”牛乳”を買ってきてほしい。」

「お父さんが今日の新聞を読みそびれてしまったとメールしてきたので、お父さんが帰って読めるように”新聞”を買ってきてほしい。」

「お兄ちゃんが学校から帰った時のために大好きな”オレンジジュース”を買ってきてほしい。」

「お姉ちゃんが算数で使っているノートはもうすぐ使い終わりそうだから、お姉ちゃんのために”ノート”を買ってきてほしい。」

 

こう言ったらどうでしょうか。

ただ4つをお願いするよりは、記憶に定着する可能性は高いと思いませんか?

 

 

記憶のメカニズム

ポイントが1つあります。

条件を変えるにあたり、「情報量が増えている」という事です。

 

生徒と話しをすると、「暗記する」という行為を頭のなかにモノを詰めるイメージで捉えている子が非常に多いのです。

そのイメージで考えると、多すぎるものは頭から溢れてしまう。となります。

 

するとどうなるか。

頭から溢れないように、「暗記するモノ」の数を減らそうとします。

それが逆効果なのです。

 

分かっている範囲の脳の仕組みでは、記憶は「結びつきの強さ」で決まると言われています。

日常的に良く使う情報と結びつきが強ければ、より思い出しやすい。

また、多くの情報との結びつきが強ければより思い出しやすい。

 

情報量を減らしてしまうと、多くのケースで「結びつき」が弱くなってしまい、忘れやすい記憶になってしまいます。

 

 

誤解している生徒には考え方を変えてもらう必要があります。

 

覚えられないのは「暗記するものが多いから」ではありません。

暗記する対象についての情報が足りていないのです。

 

先日、教室でこんな会話がありました

「えーっと、なんだっけ?”たいせいふっこのだいごうれい”だっけ?難しいよね」

私が割って入りました。

「ん?王政復古のことじゃねーの?」

「あ、そうだ!おうせいふっこ!!”たいせいほうかん”をごっちゃになるぅ!!」

 

 

情報が足りていない!

これは情報が足りていいない良い例ですよね。

「王政復古の大号令」は”王政”を”復古”させるわけで、王政が君主制を意味していて、天皇中心の政治を思い浮かべられれば「大政奉還」とは混ざりません。

 

「大政奉還」で言えば、大政(天下の政治)を奉還(お返し)するわけですから、やはり「大政」です。

「王政」をお返しする(誰に?)のは変ですから、やはり気づきます。

 

私達の脳は情報を削れば削るほど忘れやすくなります。

教科書に太字で書いてあるキーワードだけを覚えようとすれば当然、すぐ忘れてしまいます。

忘れやすいものほど、その意味を理解するほうが結果として情報量と結びつきが増えて強度が増します。

その「意味」を手助けしてくれるのが「漢字」であったりします。

 

この原理原則を上手に活かして勉強を進めて下さい。

お子さんは「必要最低限」の事を覚えようとしていませんか?

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。


昨日は大和中向けの勉強会を実施しました。

 

勉強会は「定着」の場です。

学ぶべきものは通常授業でしっかり終わらせ、徹底的にアウトプット力を強めます!

 

毎回、「学校の提出課題が終わっていない」という生徒は参加を禁止しています。

必然的にこの時期には余裕をもって課題を終わらせてくれています。