2019年4月9日
Vol.789
つばめ学院の関口です。
今週からつばめ学院は新学期の授業を開始しています。
教室では新年度の「クラス替え」評価の話ばかりが飛び交っています。
クラス替えって、だいたい8割方は「今年のクラスは最低!」という評価になるんですよね。はじめは。
さて新年度はじめのブログになりますが、今日は「ちゃんと勉強する」について書いていきます。
経験値「だけ」ではレベルは上がらない
全ての生徒に言えることではないのですが、なかなか成績が上がらない子の中には少し勘違いをしている子もいるように感じることがあります。
どんな勘違いか?
それは、ゲームの主人公のように「一定の経験値」をためると自動的にレベルアップするように勉強をとらえているという事です。
一定の時間授業を受けて、問題を解く。宿題をやってきて、試験前に課題をやる。
それが全て終わると、「ピロロローン♪」という音とともにレベルアップして、目に入る問題が昨日までの苦労が嘘のように解けるようになる。
ここまで極端な事はないかもしれないですが、近い感覚を抱いている子はいるのではないでしょうか。
悪意はない
間違って頂きたくないのですが、このような勘違いをする子に悪意があるわけではないです。
積極的に「サボってやろう」と思っているわけでもありません。
ただ、物事には「悪意がないからこそやっかいな事」があるのも事実です。
このような状況が続くと、「やっているはずなのに、なぜか成績が上がらない」という感覚になります。
ひどい場合には、「自分はバカだから」と自信を失ってしまうかもしれません。
少なくとも中高生の勉強においては、個人の能力差が伸び悩みの原因になる事はないと、私は確信しています。
ただし、意識の差は大きく結果に影響を与えます。
どうすれば良いか?
今回のような「やっているのに上がらない」」状態を改善するために、やはり意識を変えていく必要はあります。
その「意識を変える」が一番難しかったりするのですが、まずは以下の2点を意識して欲しいと思っています。
1.その「できた」は常にできるのか?
2.ギリギリでできたものは「できた」に入れない
1つずつ見ていければと思います。
1.その「できた」は常にできるのか?
かつて一度だけできたものを「できた」にカウントしてしまう子がいるんですが、それでは本番で結果が出ないのは当然ですよね。
例えば英単語。試験範囲の全てを書けるようにする事が目的なのですが、ともすると試験前の小テストをパスする事が目的になってしまうことがあります。この場合、試験範囲をいくつかに分けて小テストをすると終わったテストの範囲から忘れていくんですね。
私は試験対策の時に、「○ページから☓ページまで」と範囲をきってテストする場合に、それ以前の内容を出すこともあります。(あくまで今回の定期試験の範囲で)
すると、生徒から
「えー!言われてないのに!!ずるいっ」
という反応をもらうことがあります。いや、ずるくないから。。。
塾の「試験対策」を受けていれば自動的にテストで点数をとれるようになると思ってしまうと、目的を見失ってしまいます。
もちろん、その目的を思い出させることも含めて塾の使命だと思います。
2.ギリギリでできたものは「できた」に入れない
これも面白いくらいに良くあるケースなんです。
例えば英熟語をテストしてみるとします。
「in front of ~ はどんな意味だっけ?」
「え?えーっと、、、ちょっと先生待ってね。」
「いや、即答して欲しいんだけど、、、」
「待って!あのね、、、覚えたんだよ。えっとね、、、あ、思い出した!"〜の前に"だ!よっしゃ!!」
「はい、正解だけどアウトね。」
試験前の単語テストに時間をかける子に多いパターンですね。
10分もあれば終わるような単語テストに20分もかけてしまう。様子を見ていると1問1問をそれこそ振り絞るように思い出しています。
こうやって事前の確認で「ギリギリ思い出せた」ような単語が本番の試験で思い出せるかどうかは、完全に運まかせです。
もし即答できないものがあるなら、すぐに答えを確認して覚え直す方が良いです。
塾の授業でも「うーん、、、」と唸り始めたとたんに答えを確認するよう促します。そこで10回でも30回でも音読して覚え直す方がはるかに早いですから。
単純に技術だけではなく、意識に原因がある場合の方が解決は難しいと思います。
そして、その多くのケースが「個人に特有」の解決方法を探る必要がでてきます。
だからこそ、塾という場が存在する必要性もあり、そこにプロである人間が求められるのではないでしょうか。
技術の伝達ですむのなら、無料のYouTubeで十分に上質のものがあり、書店の参考書も優秀です。
人でしか解決しない人の問題が必ず存在します。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。