字を丁寧に書く事が大切な理由

2019年5月6日

vol.791



つばめ学院の関口です。


今日は塾の指導で塾生に伝えたいお話について書いていければと思います。



全ては相手が決める事


「字を丁寧に書きましょう」というのは、教育の場では常に言われる事ではないでしょうか。

文字を書く、という事自体に慣れていない生徒もいますので未熟な字を正す必要はあると思います。


やや難しいのは「丁寧に書く必要性を感じない」という意識を変えることではないでしょうか。

「丁寧に書かないとね」と話をした時に一番多い反論はなんでしょうか。すぐにピンとくる方も多いかもしれません。


「いや、これでも読めるし」という反応です。

これにはすかさず、こう返しましょう。

「君はね」


ここに大きな勘違いがあります。

文字は誰かに読んでもらうために書くものです。

つまり、「読めるか否か」を判断するのは自分ではなく、それを受け取る相手なんです。

読めるかどうかを判断する権限はないんですね。

この事をやんわりと、塾では説明して理解してもらいます。



ところで本当に読めてる?


次にこんな反論もありそうです。

「読む相手が自分である、個人のノートなら好きに書いて良いじゃないか」です。

どうしても丁寧に書きたくない子というのは少なくないんです…


実はこちらの問題はより深刻な事態を招いているかもしれないんです。


これから書くことは、私が集団指導をしていた頃には気づかなかったことです。

つまり学校の先生などは気づいていない可能性が高い事です。


実はかなり多くの「字が汚い」お子さんは、自分で自分の字が読めていません。そして、その事に自分で気づいていません。


順を追って説明します。


今のつばめ学院では、授業で間違えた時にその理由を本人に確認する事にしています。


「先生、2問間違えでしたー」

「うん。なんで間違えたの?」

「あ、単なる計算間違えです。」

「おい!計算問題の間違いなんだから計算違いに決まってるだろ。俺が知りたいのは、どの式でどこの数字が間違っていたか?なの。どこがいつくになってたら正解してたの?」

「いや、それは…確認します」


多くの生徒が「間違いの原因」を特定していません。

「解き直す」のではなく、間違えの原因を特定する。です。これを生徒と一緒にやってみると驚く程に多くの真実が明らかになります。


「これ2行目から3行目に移るところでミスしてるね」

「え?あ、はい。16ひく5だから11なのに…」

「これさ…お前が自分の16を10と見間違えてない?そう考えるとつじつまが合うんだけど」

「あ…」

「これ、確かに10に見えるよね。ってか、俺は10にしか見えない。」


前述の通り、丁寧な字を書かないこの多くが「自分なら自分の字は読める」と思っています。

しかし、その検証はしていません。間違えた原因を特定せず「計算ミス」で済ませてしまっていますから。

場合によっては、解き直しをして正解したから大丈夫だと思っています。



検証する力は将来に役立つ


教室で一緒に検証をしてくれる生徒は実に多くの事を学んでくれます。


何が違っていたのか?

なぜその違いが起きたのか?

繰り返さないために何が必要なのか?


重く考える必要はなく、普段の学習の中で自然に「仮説や検証」を組み立てる力がついてくれれば、それはその子の将来に大きな影響を与えるのでないでしょうか。


最後まで読んで頂いてありがとうございます。