課題は「試験勉強」ではない

2019年5月9日

vol.794

 

つばめ学院の関口です。

 

公立中学の中間試験が近いので、試験勉強に関するお話を書こうと思います。

つばめ学院では今の時期に「試験勉強の進め方」について連日教室でお伝えをしています。

特に新中1は初めてのテストなので丁寧な説明が必要です。

しっかりした勉強をして、的確な準備を身に付けて欲しいですね。

 

 

「試験勉強」が分からない

中学の途中から入塾してくれた生徒に聞くと、「試験勉強って何をしたら良いか分からない」という子が少なくないです。

そして、そのような子の多くが「試験勉強=学校の提出課題」だと勘違いしています。

 

まずこの点について認識の違いを改めて、試験勉強の全体像を明確にイメージする事はとても大切です。

 

どの中学でも試験範囲表の配布と同時に、「試験日までに提出する課題」の範囲が知らされます。

何も教えてもらっていない子は、試験日までに指定された課題をこなそうとしてしまいます。

その結果として、試験前日になっても提出課題を解いているような事態になってしまいます。

 

つばめ学院での指導の第一歩は、「提出課題は試験一週間前までに終わらせる」という事を徹底します。

つまり、試験の一週間前にはすでに課題の全てが終わっていて、やらなければならない事が何もない「空白の一週間」を試験前に作ることが何よりも大切です。

 

この「空白の一週間」を作ることが非常に大切で、かつ難しくもあります。

これができれば、試験勉強の計画は半分以上が成功です。

 

「空白の一週間」に自分が苦手な単元の演習であったり、暗記事項の徹底したアウトプットなどを集中的に行うことで、試験の点数を押し上げます。

 

 

課題が「試験勉強」にならない理由

試験一週間前に課題をやっていたって、勉強しているんだから良いじゃないか。という意見もあるかと思います。

 

ですので、

しっかりここで否定しておきす。

 

「試験勉強」とは試験のための勉強なので、「それをすれば試験の点数が上がる」という勉強です。

「やれば上がるかもしれないけど、上がらないかもしれない勉強」は「試験勉強」とは呼べないのです。

 

わかりやすく数学のワーク(提出課題)を例にあげます。

試験前の1週間で、そのワークをやっていたらどうなるでしょうか。

試験の点数は「上がるかもしれないし、上がらないかもしれない」です。

 

なぜなら、それがお子さんのレベルに合っていないからです。

提出課題のワークにはラクラク解ける計算問題も含まれています。もしお子さんが70点を取れていて、次回の試験で90点を目指したいのであれば、あまりに簡単な計算問題は時間の無駄にしかなりません。

 

また、どの単元でも最後の応用問題はハイレベルに設定されていて、課題をこなす子もここに時間を費やす場合も少なくないです。

ただ、そのお子さんの次回の目標点が80点だったらどうなるでしょうか。そんな問題が出たら試験の当日は解きもしないかもしれません。

80点をとるためには20点を落としても良いのです。計算問題を確実に解き、中程度以上の応用問題をしっかり解けば十分です。最難問で7〜8点を配点された最後の問題を解かなくても全く問題ないのです。

 

お伝えしたい事は、「良い悪い」という事ではなく、「目的に合致していない」ような勉強をしても結果につながらないという事です。

試験では解かないような難問をじっくり解くことは素晴らしいですし、計算問題はいくら解いても無駄にはなりません。

ただ、「点数を上げる」という目的でしている試験勉強としては適切ではないというだけです。

 

 

暗記科目はもっと悲惨

数学以外の教科についてはどうでしょうか?

実はその他の教科については、「暗記」が非常に大きなウェイトをしめるために、課題のワークはより効果が薄くなります。

日頃からしっかり「暗記」ができている子であれば、ワークで仕上げることもできますが、そうでない場合には基本事項の暗記が優先です。

 

英語のワークをいくら解いても、英単語や表現を暗記することはできません。

必要な事を暗記できていないと試験で点数を取ることができないのは明らかです。

この点については理科・社会もまったく同様です。

ワークで強化できるのは「基本事項を覚えた」という前提での問題対応です。「基本事項」のページを暗記もせず、ペラペラ戻ってちら見しながら問題を解いても試験では何の役にも立ちません。

 

実は和光市内の中学校では、国語の試験前課題として膨大な量の「漢字の書き取り」課題が課されることがあります。

これで暗記ができるようになるわけではない事は昨日のブログでお伝えした通りです。

暗記もまた適切な方法で行う必要があります。

 

 

本日のブログでお伝えしたいことは1点です。

試験前には「試験勉強」をするための「空白期間」が必要です。その空白期間をつくるためには早めに課題を終わらせる事が大切になります。

 

たったこれだけの事ですが、やるかやらないかでは大きな違いがでます。

生徒たちには目的にあった努力をする事の重要性を学んでもらえれば嬉しいです。

 

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。