2019年5月16日
vol.799
つばめ学院の関口です。
先日のブログで「情報は多い方が覚えやすい」というお話をしました。
それだけでは分かりにくかった部分もあるかと思うので、今日はその仕組みを掘り下げたいと思います。
大きな勘違い
生徒と話しをする時に大きな勘違いをしている事があります。
それが、「たくさん覚えようとすると忘れる」という勘違いです。
確かにお互いに何の関係もないものを覚えようとすれば、数は少ない方が覚えやすいです。
ところが逆に、関係のある事をたくさん覚えるとそれらは相互に関連付けされてより覚えやすく・忘れにくくなります。
関連のある事をたくさん覚える事が、暗記をスムーズに進める大きなポイントになります。
具体的に考えてみる
実際に覚えやすさ・覚えにくさについて具体的に書いてみます。
例えば、和光市にお住まいの方が「下新倉」という地域を覚えるのは簡単ですよね。
(すでにご存知とは思いますが、、、、)
「新倉」という名前を知っている人は「新倉に隣接しているんだろうな」とすぐに分かるだろうし、「最近、家が増えている地域だよな」と別の知識を持っている人は更に印象が強くなるはずです。
いきなり「今すぐ覚えろ」と言われても苦もなく覚えるし、忘れないはずなんです。
別の地名を上げてみます。
岐阜県に可児(かに)市というところがあります。
これを覚えてください。といきなり言われたらどうでしょうか?
馴染みのない方は、自分の中の情報と結びつきがなくて覚えにくいと感じるのではないでしょうか。
ところが、私はこの可児市をすぐに覚えられましたし、きっと簡単には忘れません。
理由は単純で、大学時代の同級生に「可児さん」という友人がいたんです。
初対面の時に「今まで聞いたこともない名前だなぁ」や「なんて読むんだ、この字は」と思った事が印象深いのです。
そういう印象とすぐに結びつくので、簡単に覚えてしまいます。
どう活かすのか
暗記を効率的に進めるためには「情報の量」ではなく「情報の結びつき」が大切だと実感していただけたと思います。
多いから覚えられないのではなく、関連がないから覚えられないのです。
ならば、関連をつけて楽に暗記を進めた方が良いに決まっています。
試験勉強の「暗記」に活かすためには、ただやみくもに覚えるのは非効率です。
できるだけ関連のある内容を「教科書から探す」ことが有効です。
つまり、「覚えたければより深く知れ」という事です。
例として、今日の教室で自習していた中1が苦戦していた「中央アジア」について考えてみます。
なかなか日本に馴染みのない地域なので、ちょっと覚えにくいですよね。
ただなんとなく「中央アジア」と覚えるよりは、その国の事を知るとよりわかりやすいです。
中央アジアには、、旧ソ連諸国のうちカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの5か国が含まれる(と、Wikipediaに書いてあります)。
さらに中華人民共和国に併合された新疆ウイグル自治区も含まれる(と、Wikipediaに書いてあります)。
そこまで知ってしまうと、中央アジアが「ロシアと中国の間」だわな。という事も難なく理解できるし、覚えやすくて忘れにくいですよね。
そんな事を授業で触れながら「効率的な暗記」を知ってもらいます。
一問一答形式で知識を詰め込むことも時には必要なことだと思っています。ただ、それは「割と大変な作業をしている」と自覚してもらえればと思っています。
一問一答形式で覚えられないとすれば、それは「情報過多」なのではなく「情報不足」なんです。
そんな時は落ち着いて教科書を読み返してみて欲しいです。自分の持っている情報とつながりのある「何か」が見つかるかもしれません。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。