2020年3月10日
vol.831
つばめ学院の関口です。
つばめ学院では昨日から人数を制限した形で授業を再開しました。
やってみると、少ない人数の生徒をじっくり見ることができるというメリットもあることに気づきました。
今日は計算ミスをなくすために大切なコツについてお話を書こうと思います。
この点について、実はかなり勘違いをしている子が多いんです。
計算は技術である
「計算が苦手」という子や、「計算ミスがなくならない」という子のお話を良く聞きます。
ともすれば、これは「得手・不得手」の話であったり、うっかりした「性格」の問題としてとらえられてしまうかもしれません。
ここで大切な基本的な考えをお伝えします。
それは「計算とは技術である」という事です。
技術というのは、自転車に乗れるとかボールを投げるといったものと同じです。練習すれば必ず誰でも一定水準以上になれます。そして、いわゆる勉強で必要とされる計算力はその「一定水準」で十分です。
技術の練習方法が間違っている
計算が技術であるとして。
誰でも練習次第で必ず正確にできるのに、「苦手だ」「ミスが多い」と感じる子が出るのはなぜでしょうか。
これは単純に、「練習不足」か「練習方法が間違っている」のどちらかです。
ここで「練習不足」については今日のブログでは触れません。
「練習方法の間違い」についてご説明します。
この「練習方法」を意識せずに、ただ闇雲に計算を繰り返す子が実に多いのです。
計算の精度をあげるためには、ただ計算をたくさんすれば良いということではありません。
ある点に意識を向けて練習をする事が絶対に必要なんです。
計算練習は途中式の練習である
つばめ学院の計算指導では、この途中式をくどいほどに説明します。
途中式に絶対の正解があるわけではないのですが、絶対にはずしてはいけないポイントがあります。
暗算に自信があったり、複雑な計算をする必要のある子は一部を省略しますが、絶対に省略できないものもあります。
その「途中式の濃淡」をしっかり意識できるようになるために、計算練習があります。
「途中式をちゃんと書きなさい」とお子さんに注意したとします。
その返答として「何を書けばいいか分からない」と言われたことはないですか?
計算が苦手としている子の多くは、実は「途中式の書き方」自体が分かりません。
無理やり書くと、無駄な式を書いている一方で、大切な式をとばします。
それは「途中式の濃淡」が全く見えていないからです。
計算練習の話に戻します。
「途中式が大切だ」と分かったとします。そこでなぜ練習が必要なのでしょうか。
計算問題は実にいろいろな形で出題されます。
その多様な計算問題を、「ポイントを外すことなく」自分の定型の途中式におとしこむ技術は練習が必要です。
計算問題を「途中式運用の練習」だと認識できた子の計算力は驚くほど向上します。
この感覚のない子は、いくら練習をしても、それは「暗算力」を懸命に鍛えているにすぎません。
そして、式が長くなれば場当たり的なメモでなんとかしようとします。
これをいくら繰り返しても意味がないことは明白ですよね。
「途中式なんて書いても意味ないよ」
なんて言われて返す言葉がなくなった方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時に是非とも言ってあげてください。「計算練習ってのは、途中式の練習なんだよ」と。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。