2つの面白さ

2020年3月18日

vol.836

 

つばめ学院の関口です。

 

今日は「面白さ」についてのお話を書きます。

もし気に入って頂けたら是非ご家庭での会話にお使い頂ければと思っています。

 

2つの「面白さ」について

塾の教室でよく生徒に話をすることに「2つの面白さ」という話があります。

私は「面白い」には2種類あると思っていて、それが「すぐ分かる面白さ」と「すぐに分からない面白さ」です。

 

誰でも簡単に遊べるスマホゲームが「面白い」という場合と、長年にわたって積み上げてきた事が「面白い」という場合には何かが違うのではないでしょうか。

 

簡単なスマホゲームが「面白い」という時の面白さは底が浅い気がします。

もちろんゲームを全て否定しているわけでなないんです。

 

すぐに「面白い!」と思えるものって、わりとすぐに飽きてしまう。そんな気がしませんか。

 

逆に「面白い!」と思えるまでに時間がかかったり、最初は「ただ辛い」だけだったもの。

そういうものが「面白い!」に変わった時は自分の人生を変えるほどのインパクトを持つ「面白い」になると感じています。

 

スポーツだと分かりやすい

小中学生に分かってもらうためには、スポーツやお稽古ごとだと伝わりやすいことがあります。

 

よくスポーツ万能でなんでも器用にこなす子ってどこにでもいます。

そういう子がどのスポーツにも満足できなくて、すぐに飽きてしまうような話は現実にも見かけるし、漫画の世界なんかにも良くあります。

他方、「ごく普通にスポーツを頑張っている子」の面白さはそういうものではないはずです。

 

はじめは上手くいかなかったけど出来るようになった。

練習を重ねて少しずつできるようになる事が面白い。

そういう事が自然に感じられたのではないでしょうか。

 

ピアノを上手に弾ける子も最初は好きではなかったかもしれない。

それでも練習をするうちに、ピアノの音で自分を表現する事が楽しくなる事はあると思います。

必ずしもプロの演奏家になる事がピアノを練習する理由ではないですよね。

 

ここで書いたような「面白い!」の感覚は、明らかにスマホゲームやテレビゲームのそれとは異なります。

 

ゲームは違いがわかりにくい

ゲームの楽しさは全てが「浅い」のかと言えば、それも違うと思います。

以前、プロゲーマーの梅原大吾さんが書いた「勝負論 ウメハラの流儀」を読んだことがあります。

その本の中では、プロスポーツ選手と同じように勝負の世界に生きる厳しいプロの思いが書かれていました。

 

「面白さ」の種類を分けるのは、その対象ではなく姿勢だと思います。

どれだけ真剣に向き合っているかが、「楽しさ」の種類を決めている。

これはある程度の経験を積んだ大人であれば誰でも共感して頂けるはずです。

 

スマホゲームに没頭する子が悪いわけではないんですよね。

どうせやるなら本気でやれば良い。

遊びでやっていると、遊びの「面白い!」しか味わえない。

それが悪いわけではないですが、人生が「それだけ」では寂しいですよね。

 

ゲームの問題はその「本気度」が分かりにくいことだと思っています。

遊びでゲームをしているのか、本気でゲームをしているのか。

そしてその違いを意識しないでいると、多くのケースでは「遊び」で終わってしまいます。

 

ゲームに夢中になる事の多くが残念な結果に終わるのは、そういう事なんじゃないかと感じています。

生徒達には是非とも多くの「本気体験」を通じて、より深い「面白い!」に出会って欲しいです。

 

お子さんは「本気」でゲームしていますか?

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。