2020年3月19日
vol.837
つばめ学院の関口です。
休校状態が続く中、おそらく最もご家庭の心配が大きいのは「新中1」の学年を持つ保護者の皆さまではないでしょうか。
「中1ギャップ」とも言われる現象があります。
今日はその学習面において、なぜそういう事が起こりうるのかをご説明します。
何が起きるのか
中学に入るとお子さんの学習環境は大きく変わります。
教科数が増えることや、教科ごとに先生がかわること。
新生活や部活による生活リズムの変化、、、などがその具体的な内容にあげられます。
しかし、私はより大きな変化が中学に入ってからあると思っています。
私が最も重要だと考える(学力面での)中学からの変化について、今日は書いていきます。
学習は継続性こそが大切なのに
公立中学の事を全く知らない方が驚かれる事の1つに、「宿題がない」ことがあげられます。
長期休暇の際には宿題が出ますが、少なくとも何もない平日に和光市内の公立中学校では宿題が出ません。
小学校の時には欠かさず毎日出ていた宿題が、中学になると出ません。
ここでその是非を書いても仕方がないので、まずはその事実をお伝えします。
学習内容は小学校の時より高度になります。
それにもかかわらず、宿題は出ません。
学習は毎日の継続こそが大きな力になります。これは絶対です。
そうした中で、「宿題」という強制力を失った生徒が「平日は勉強時間ゼロ」になるケースは非常に多いのです。
「私立中学は面倒見が良い」というのは一般的なイメージだと思いますが、
「毎日、強制的に宿題をさせる」というのも面倒見の良さの1つだと私は考えています。
私立中学の多くでは、小学校の時と同様に「宿題」が出されます。
公立中学で出ないので、つばめ学院では私がせっせと宿題を出しています。
そこそこ出来ていた子が授業についていけない
もう一つの点については、私の想像です。
何か絶対的な確証があるわけではないですが、多くの方が納得して頂けるお話だとは思います。
小学校と中学校の間では「授業のターゲット」が違うのではないでしょうか。
良い悪いという事ではなく、単純に「違う」ということです。
毎年、中1の後半でご相談にくるご家庭が増えるのですが、多くの場合で
「小学校までは授業で困ることはなかったのですが、中学に入ってから急に難しくなったようで、、、」
というお話を伺います。なぜそういう事が起きるのかを考えてみます。
小中学とも30人の生徒がいたとして、学校の先生(またはカリキュラム)は誰をターゲットにするでしょうか?
小学校で考えてみます。
ターゲットは学力的に真ん中の生徒でしょうか?
私が小学校の先生だったなら、反応の良い方から数えて28人目くらいまでは授業でついてきて欲しいと考えます。
あくまでイメージですが、28番目の子がついてこられるような授業にしたいと思うのではないでしょうか。
しかし、中学校でればやはり真ん中の15番目くらいにターゲットを定めたいです。
「全員がしっかり分かる授業」が理想ではありますが、やはり集団の授業で「全員」が分かるまでやるという授業は、反応の良い子にとっては冗長で退屈になってしまいます。
やはり、真ん中くらいに合わせるのではないでしょうか。
もしこの感覚が正しいとするならば、
イメージの中での17〜18番目の子であれば、小学校の時には十分に授業についていけたけど、中学では「急に授業が難しくなった」と感じるはずです。
宿題がなくなる事との相乗効果が発生します。
勉強に対して意欲的ではなく、理解するまでに(少しだけ)時間を要する子が、ジリジリと学校の授業に差をつけられてしまう。
少なくとも毎年のように起きている事との辻褄は合うように感じます。
中1ギャップは侮れないのです。今からの備えが大切です。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。