リモート授業をやってみてわかった事

2020年4月16日

vol.840

 

つばめ学院の関口です。

 

今日も午前中からの分散授業と夜のリモート授業を続けて実施しました。

「教室の授業が良い」「家からのリモートが良い」

各ご家庭でのご要望も今の混乱期を反映してさまざまです。

 

今日のブログは「リモート授業」について書こうと思います。

ここ数週間でいろいろな形でのリモート授業を行ってきました。

そこでわかった事を備忘を兼ねてこのブログで共有したいと思います。

 

実は「リモート授業」が教室の授業よりも優れている点も実はいろいろあるんですよ。

 

接続にまつわるエトセトラ

リモート授業を塾内で展開する場合に大きな障害となるのが「接続」までの作業です。

つまり「リモート授業を実現するための準備」です。

 

私もこの点がかなり心配していました。

結論から言うと「わりとなんとかなる」という感じです。

 

つばめ学院では以下の2点をお願いしました。

・Zoomをインストールする

・LINEでつばめ学院をお友達登録する

 

もちろんお問い合わせやサポートは何度も必要でした。

それでも全く接続できないようなケースはありませんでした。

 

更に強調したいのは、いったん接続になれてしまうとデジタルネイティブの生徒達は次回からそれが「当たり前」になってしまします。

この順応性の高さには私も驚きました。

小学生の子であっても、親御さんの出番は本当に最初の接続まで。です。

あとは生徒が全て勝手にやれるようになっています。

 

やらせっぱなしにしない工夫は必須

技術的な問題については、塾側がある程度は考えて、あとはシンプルに伝えられれば超えられない壁ではない。というのがここまでやってみた結論です。

 

では、致命的な課題はなんでしょうか?

これもやってみて、はっきり分かりました。

 

生徒のフィードバックを受け取らないこと。です。

 

これは普段の授業でもわかっていることですが、生徒に問題を解いてもらい、丸つけをしてもらう。

個人差はありますが、この丸つけが結構いい加減な子が多いんですね。

いや、悪気はないと思うのですが、解答と答えがあっていることを完璧に突き合わせるということは小中学生には難しい事です。

 

特に英語の文法問題が続くと、かなりの「丸つけミス」があります。

その「丸つけミス」のチェックは経験のある講師が精緻にやる必要があります。その精度が生徒の弱点を見つけられるか否かを決めます。

 

数学であれば、「どこで間違えたか?」を探る作業です。

○と☓を生徒につけてもらうのは構わないのですが、「☓の理由を探る」という作業は生徒一人では荷が重い作業です。

 

つばめ学院では解いたテキストを写真にとって、LINEで送ってもらいました。

面白いくらに「不十分な丸つけ」が続々と送られてきました。

その全てをしっかりブロックしてとき直しを指示することができるかは、リモート授業の質を大きく左右するはずです。

 

これを「大丈夫だった?」「大丈夫でしたー」という会話だけで済ませていては、もやは授業を「やっているふり」のレベルにまで落ちてしまう気がします。

 

少し細かい話になりますが、生徒の丸つけの結果を見ることはリモートの方がやりやすいです。

私がチェックしている間でも生徒は先の問題を解くことができますので、私はじっくり確認できます。

教室での授業では、私がチェックしている間は生徒はそれを待っていることになります。

チェックが1人だけであれば問題ないですが、2,3人もチェックする生徒が列になって待つ場合には、やはりチェックの内容も要所要所のチェックにならざるを得ません。

 

教室の授業を超えた!「ブレイクアウトルーム」

今回のリモート授業で私が「すごい!」と感激したものがあります。

それが、Zoomの「ブレイクアウトルーム」の機能です。

 

これを簡単に説明します。

ふだんのZoomは1つの部屋に参加者全員が集まります。

授業であれば全員が同じ部屋で勉強するイメージです。誰かに説明している声や生徒と私の会話は他の生徒にも聞こえます。

これは教室での授業でも同じことですので、慣れれば気にならない程度のものでもあります。

 

しかし、この機能を使うと「別部屋」をいくつも作ることができます。

メインルームの他に「別部屋」を用意して、特定の生徒をそちらに移します。

そうなると、非常に短い時間だけマンツーマンの空間を作り出せます。

 

この効果は本当に大きいです。

私が使った具体的な利用方法です。

 

1.問題の解説を別部屋でやる

大部屋で説明しても良いんですが、勉強が苦手な子もいるので別部屋の方が気兼ねがないですよね。

説明する私としても、全員に聞こえていると思いと声が小さくなってしまいます。

(関係のない子にとっては雑音にしかならないので、少し気を使ってしまいます)

別部屋であれば、2人しかいませんので元気満点で説明するだけして大部屋に戻れます。

 

2.英語の音読

つばめ学院では英語の授業で「教科書の音読」をしてもらいます。

教室での授業では恥ずかしがって声が小さい子も少なくなかったのです。

リモート初期では、大部屋しか知らなかったので、この音読は断念していました。さすがに恥ずかしいですよね。。。

しかし先生と2人であると分かる別部屋であれば思い切り音読してもらえます。そこで、私がさらに元気に発音すれば生徒もつられますよね。

 

3.生徒個人の話

いわゆる秘密のコソコソ話です。

前回の試験結果を踏まえての次回に向けた目標設定。あからさまにみんなの前で点数を言うわけにいかないです。いままでは言葉を濁したり筆談などで避けましたが、はっきりと会話できます。

志望校が出るような繊細な話についてもこの「別部屋」が重宝します。

生徒一人ひとりにあった言葉をかけて励ます場合にも、他の子に聞かれない方が良いことというのは実は結構あります。

 

「日本で一番狭い教室」とも言われたりするつばめ学院が「別部屋」を持つことができるということは大きな効果があります。

 

 

いま世界は未曾有の混乱期に直面しています。

そして日本の学習塾も驚くほど大きな変化の波に飲み込まれています。

ここ数週間で「急に出てきた」ように感じられる「リモート授業」だと思います。

(実際は数年前から試行錯誤してたんですよ、、、、)

 

やむを得ない理由から「リモート授業」がスタートしたことは否定できません。

しかし、その中で確かに希望はあります。

つばめ学院の授業は「リモート授業」なりの良さを確かに見出しています。

 

まだまだ社会の安定までには時間がかかりそうです。

そのなかで力強く進化する「つばめ学院のリモート授業」に是非ともご期待ください。

 

次世代の「当たり前」が急速に形を成してきています。