危険なサインは見逃さない!

2020年10月20日

vol.866

 

つばめ学院の関口です。

 

公立中の多くで中間試験の答案返却が始まっています。

中学生にとっては「やっと試験が終わった」という感覚かもしれませんが、実は今週の木曜日になるとすでに「期末試験の4週間前」になります。

期末試験はあっという間にやってくると思っておいて頂きたいです。

 

今日のブログでは、この時期にわかる「危険な兆候」についてお伝えできればと思います。

 

 

予想が大きくはずれる

ちょうど中間試験の結果が判明している時期ですが、この時期に「結果」だけでなく他に注目して欲しい点があります。

それが、「本人の予想と実際の点数の差」です。

「何点とれたのか」ではなく、「本人が試験直後に持った感覚とどれだけ違ったか」が大切です。

 

試験直後に本人が抱いた予想から、実際の点数が半分以下になるようなケースはかなり警戒が必要です。

また悲観的な予想に反して点数が良い場合もまれにあると思います。

これは「結果オーライ」ではなく、やはり本人の予想の精度が悪いというサインです。

 

塾では当然のように、試験が終わった日に「どうだった?」という感想をどの子にも聞きます。

そして、確実に言える事は、「成績の良い子は予想の精度が良い」ということです。

普段の成績が良い子は、点数が悪い場合にも、悪いなりに精度良くその悪い点数を予測することができます。

 

予想が大きく外れる理由は単純です。

「できた問題」も「できない問題」もなんとなくの理解なので、問題ごとに大きな誤差が生じます。

この積み重ねが結果としての点数を大きく外すことになります。

 

 

試験範囲を把握していない

試験が終わったばかりのこの時期に、お子さんはどれだけ「試験範囲」を把握しているでしょうか。

本来であれば、試験直後のこの時期であれば全科目の試験範囲を言える必要があります。

(ページ数は不要ですが、どの単元までが範囲かは把握が必要です)

 

もし、現段階で試験範囲が言えないのであれば、次の期末に向かう時には是非とも試験範囲を頭に入れて勉強してみて欲しいです。

たったそれだけのことで、全体の勉強がスムーズに進むはずです。

 

なぜ試験範囲を把握しておく必要があるのでしょうか。

勉強が苦手な子の多くは「試験範囲表を見れば分かるから頭に入れておく必要はない」と考えます。

成績の良い子の多くは無意識的にかもしれませんが、必ず試験範囲を把握しています。

 

試験前になると、塾の教室は多くの自習生でにぎわいます。

私も生徒が自習している様子を見ながら声をかけています。

ときおり気になるのが、「ペースの配分が悪い生徒」がいることです。話をしてみると試験範囲を把握していないことがほとんどです。

 

試験勉強は一つのプロジェクトです。

やはり勉強をするなかで、不測の事態が発生し、その都度スケジュールや見通しを修正する必要があります。

実際には「かならず計画を立てて、計画と実績の差を毎日確認する」という子はまれです。

多くの子が「感覚的に微修正」しながら勉強をすることになります。

この「微修正」がくせものなんです。

 

試験範囲が頭に入っている子は、少しの遅れが出た段階で「なんとなく急ぐ」んです。

大きく勉強が遅れた場合には「なんとなく重要度の切り分け」をするんです。

意識的ではないからこそ、無意識的に参照する先に「試験範囲があるかどうか」は決定的な違いになります。

 

期末テストでは、是非とも配布された試験範囲表を「頭に入れておく」ことから試験対策をスタートして欲しいです。

 

 

自分の点数が言えない

今日の最後に一番の深刻なケースをご紹介します。

 

それが、「自分が何点とったか言えない」というものです。

これは決して「恥ずかしくて言えない」ということではありません。

本当に「覚えていない」ので言えないというケースが存在します。

 

ちなみに「点数」は、もちろん1の位まで厳密に5教科全てです。

「だいたい40点くらい」というのは、言えたことにはなりません。

 

その前提で、試験直後のこの時期にお子さんに確認してみてください。

5教科全ての点数が言えるかどうか。

 

塾の現場で経験していて確実に言えることがあります。

「勉強が本当に苦手で、点数がとても低い」

というご相談を受けた際に、お子さんに直近の点数を聞いて正確な数字が返ってくることはめったにありません。

(少なくとも私の記憶できている範囲でゼロです)

 

点数を忘れてしまっている子は、「忘れる理由」が必ずあります。

そして「忘れる理由」は点数が悪いからです。

嫌なことは誰だって忘れたいですから。

 

ただ、その「忘れる」は「関心を失う」ことと同じです。

関心を失ったものを取り戻すことはできません。

 

どんなに点数が悪かったとしても、、、

次回のチャンスに挽回を誓っている子は「忘れて」いません。

もちろん、自らすすんで点数を言うことはないかもしれませんが、絶対に点数を忘れたりはしません。

なぜなら、そこに大きな「関心」があるからです。

 

もしお子さんの点数が悪かったとして。

そして、その点数を試験直後に忘れていたとしたら。

 

それは大きな警告サインです。

そのサインにいち早く気づくことに大きな意味があると思います。

 

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます。