2020年10月21日
vol.867
つばめ学院の関口です。
今日はつばめ学院の進路指導についてお伝えできればと思います。
今からでも遅くはない、高校入試に向けた考え方についてお役に立てれば幸いです。
相談を受けました
実は先日、ある保護者の方から相談を受けました。
ご相談の内容は「志望校を変えた方が良いでしょうか」という内容でした。
お母様のお話では、確かに春から比べると別人のようになって頑張っているが、まだ模試の結果が合格圏に至らない。
家の様子を見ていても、「もう少し頑張れるのではないか」と思いこともある。
これが限界なのだろうか、、、
というお話でした。
「志望校をどうするか、よりも大切な事があると思うんです。」
とお答えしました。
お母様がご不安なのは良く分かります。
しかし、この状況で「志望校」を動かすことは何の解決にもなりません。
そして、私もお母様の意見に共感している点がありました。
「この子はもっとやれる」
という点です。
お母様も私も、「もっとやれる」と思っているのですから、「もっとやる」ために何ができるのか。
そこにご協力頂けるようにお願いをして納得してもらいました。
大切な事は、生徒自身が最後の最後まで力を出し切ることです。
志望校は「そのためにどうあるべきか」で考えるものだと思っています。
現時点で志望校を下げて「やる気が出た」なんて状況は考えにくいです。
その子に応じた進路を考える
高校受験と大学受験の進路指導はいろいろな面で違いがあります。
その一つとしてあるのは、高校受験においては「その後の3年をイメージする」ことが非常に重要になるということです。
高校は多くの子にとって最終学歴にはなりません。
つまり、高校はゴールでもなんでもなく、一つの通過点です。
その通過点である高校の3年間で、生徒が学力的にも人間的にも「大きく成長する」ことを我々は願っているわけです。
そうであれば、志望校を安易に「偏差値」で切って、高い方から生徒に割り当てるような進路指導があってはならないと私は思っています。
今日は1つの「タイプ」について、進路指導の考え方をご紹介します。
実はこの考え方は、これから大きく変わる大学入試制度改革にも大きく関わってきます。
お子さんはどちらのタイプでしょうか?
私がよく使う進路指導のタイプ分けでは、第一段階で
①おおらかで、のんびりしていて、回りに流されやすい子
②少し勝ち気で、プライドがあり、活発な子
のどちらの要素が強いかを考えます。
きれいにどちらかに分かれることはまれですが、「どちらかと言えば・・・」で考えます。
まず①の「のびりタイプ」の子ついては、できるだけ偏差値の高い学校に行くことを考えます。
別の言い方をすると、「意識の高い友達に囲まれる」ことを大切にします。
たとえ、学校内での学力順位が低くても、まわりの意識に触発されて自分のレベルを少しずつ上げていけると期待できるからです。
まわりの影響を受けやすい子に関しては、「まわりの環境」そのものを良いものにしてあげたいのです。
次に②の「勝ち気なタイプ」です。
こちらの子に対しては、「高校入学後のポジション」を優先して進路指導します。
つまり、どんなに良い高校に進学できたとしても、「ビリではだめ」だという事です。高校の偏差値を少し下げてでも「そこそこ」のポジションを確保できるように考えます。
ここで重要なポイントですが、「プライドが高い=学力が高い」ではありません。
現時点での学力が低かったとしても、負けん気が強い子はいます。
そういう子が高校に進学したとたんに「クラスで一位」や「学年10位以内」を獲得して、俄然やる気になる例は多いのです。高校の3年間で学年でトップ10を維持できたとすれば、その子の学力が伸びてないはずはないです。
高校受験の進路指導では、「どの高校に合格するか」ではなく、「どの高校に進学すれば、この子はより成長するか」が圧倒的に大切です。
ちなみに、大学受験にこの観点はほとんど必要ありません。大学受験では「どの大学に合格するか」が大きなポイントになると思います。
偏差値や合格率だけでなく、「この子はどういう環境で伸びるのか」を最優先して進路を選んで頂ければ幸いです。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。