2020年11月2日
vol.871
つばめ学院の関口です。
公立中学の中間試験は結果が返却される時期になり、つばめ学院にも嬉しい報告が続々と入ってきています。
今回はどの学校・学年でも、平均点が大きく下がったところが多かったのですが、その分だけ学年順位を上げた塾生が目立ちました。
やはり「実力」のついている子は違いますね!
今日のブログでは、塾の指導で使っている「プロの技」についてご紹介しようと思います。
このお話を読んでいただいて、「なるほど!やはりプロに指導してもらわなければ!!」と思って頂けるように頑張って書きますので、最後までお付き合いください。
何を言っても聞かない子
保護者と面談していて良く言われる事の一つに、
「親が言っても全然聞かないけど、塾の先生から言ってもらえると聞くみたい」
というお話があります。
この点について、私が理解している範囲でご説明したいと思います。
これは技でもなんでもないのですが。。。
特に男の子に顕著な特性として、思春期にさしかかると
「親に対しては反発し、外部の"権威"に従順になる」という傾向があります。
親に対してはモゴモゴとしか話さないくせに、
部活の先生や先輩に対しては「おつかれさーーーっす!!」と元気よく言ったりするアレです。
塾の先生もやはり外部の「権威」ではあるので、保護者の方よりもスタートラインですでに圧倒的有利な立場にあります。
たまに保護者の方から、
「私の言っていることは何か間違っていますか?」
とご相談される事がありますが、そのほとんどは確実に親の言うことが正しいです。
間違いがあるとすれば、
お子さんが「内容に反発しているのではなく親に反発しているだけ」という認識を持たれていない点です。
なにせ、お子さんの目的は「親に反発する」ことであって、「内容の正当性を吟味する」ことではないからです。
こういう時の対応は簡単です。
塾の先生に電話をして、「・・・・・って言っておいてください」と伝えましょう。
私はさも自分の言葉のように、お子さんにお伝えします。
後日、お子さんが「塾で・・・・って言われて」とかこぼした時に、隠れてガッツポーズしておいてください。
何度言っても聞かない子
先ほどとよく似たタイトルですが、微妙に違いますね。
「何度同じことを言わせるの!!」と言いたくなるアレです。
ここにも、キラリと光る「プロの技」があるんです。
先に答えを書きますね。
「そもそも、10回20回言ったところで変わると思ってない」
です。
これも良くご相談頂くのですが、「同じことを何度も言っているのに変わらない」というお話です。
私はプロなので、「同じことを何度でもいう機械」だと思っています。
何度でも、そこそこのテンションで、感情的にならず、、、何度でも言う。だって変わらないから。
「字が汚いから丁寧に書け」
を毎回の授業で言うとします。仮に週に2回通う生徒であれば、1回の授業で1度注意するとして年間で84回注意することになります。
季節講習を合わせれば、年間で100回以上は同じ事を注意できます。
こういう事を1年以上かけて、やっと変わる子は変わります。
すでになんだかんだで、2年以上も同じことを言い続けている生徒を私はすぐに名前をあげる事ができます。
かけた時間や言った回数というのは、まあどうでも良い事で、やはり最終的にこの子の意識と行動が変わってしまえばそれで良い事です。
「そもそもそういう事」だと私は思っています。
だからこそ、
プロとしては、「何度でも同じことを、そこそこのテンションで言う」わけです。それを年単位で続けると、わりと多くの子は変わります。
「10回、20回言われた」程度で、「何度同じ事を言わせるの!!」と感情的に怒鳴られてしまった子には、
「まあ災難やね、、、」と同情してあげます。
一向に意識が変わらない子
これまた良くご相談頂くことの一つに、「全然分かってない」という話があります。
「このままじゃ、後で大変な事になる」
「そんないい加減な事をしても意味がない」
「なんのために勉強するのか」
そういった意識の部分で、お子さんが「全然分かっていない」というご相談です。
「分かった」とか言うなら、行動でもちゃんと示せよ!!とか言いたくなるアレです。
こちらも全くもって、「お家の方の言う通り」です。
言ってる事が正しくても、なかなかその「意識」が変わらないという事があると思います。
この対応についても、効率的なやり方を知ってもらえればと思います。
いったん、回り道をします。
例えば「リラックス」をするとします。
「リラックスしよう」と思って、すぐにリラックスできる人っていないですよね。
「よーし、今からリラックスするぞ」とか言って、次の瞬間に「くつろぎ状態」になっている人がいたら確実に変な人です。
人は直接コントロールができない「リラックス」のような事に対しては、コントロールが可能なものから変えていきます。
例えば、
リラックスできるような音楽をかけ、部屋の温度を適温にし、照明を少し落とし、ハーブティーを飲み、、、、
というような感じで、コントロール可能なものを動かしながら、直接はコントロールできない「リラックス」の状態を作るはずです。
「意識」も同じです。
いきなり「意識」を変える事はできません。
では、この場合の「コントロールできるもの」は何でしょうか。
勉強の場合の意識は、「作業→行動→意識」の順に変えていきます。
具体的に説明します。
例えば「作業」としての課題・宿題を課します。
ここで、期日までにこれをやって来なかったとします。
その場合は塾に居残りでやってもらいます。
もし次回もやってこなければ、次回も居残りです。
居残りの度に「でも次回は期日までにやろうな」と言い続けます。
こうやって、「少なくとも間に合わない時には居残りでやりきる」という「行動」が当たり前になるようにします。
「作業」を通じて「行動」を変えることになります。
この「行動」が変わることによって、「できない時はやりきる」が当たり前になります。
そして、更に「課題・宿題を期日までにやる」ことができ、それが当たり前になったらどうでしょうか。
「課題・宿題を期日までにやるのは当然」という意識の変化になります。
大切な事は「その逆はない」ことです。
「宿題は期日までにやるべきだ」という意識をもって、
やりきれない時には、「先生!居残りでやりきります!」という行動をして、
それを続ける事によって「宿題をしっかりやれる子」になるというストーリーには何のリアリティも感じないはずです。
作業→行動→意識
人はコントロールが可能なところから、変えることで、直接にはコントロールできないようなものも「コントロール」してしまう事ができるんです。
今日ご紹介した事は、料理で言うところの「プロのレシピ」です。
お家で真似して頂ければ、「お家でプロの味」をお楽しみ頂けます。
「そんな事までやってられませんよ」と思われる方は、是非ともプロのお店にお越しください。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。