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勉強とは科学である

2020年12月7日

vol.875

 

つばめ学院の関口です。

 

今日も私が教室の現場で発見した気づきを全てお伝えしようと思います。

「意識を変えるだけで成績が上がる(かも)」というお話です。

是非とも最後までお付き合いください。

 

 

勉強の仕方は科学だと思う

最近、私が強く感じている事が、この「科学」という事なんです。

基本的に正攻法と言われる勉強法があって、その基本に忠実な勉強をすることが、点数アップの近道です。

 

しかし、それをみんなが苦もなく実行し、何の不満もなければこんな楽な話はないわけで。。。

現実の世界では、

・言われた通りにやらない(やれない)

・言ってもやらない

・やっても(その子だけ)身につかない

というような、事はぼこぼこ発生します。

 

そういう時にこそ、「この子はどう考えたのか」「どういう気持で勉強しているのか」「頭の中では何が起きているのか」をひたすら想像します。

 

その中で仮説をたてて検証していくのですが、このスタンスはまさに「科学」だと思います。

1人1人の生徒に対する仮説・検証の繰り返しが、塾の教室では続いています。

 

今日はそんな中から気づいたケースの1つをご紹介します。

 

 

点数が低い!!

生徒の1人から相談を受けました。

試験の結果が返却され、その点数があまりに低かったので、驚きとショックですっかり元気をなくしてしまっていました。

 

その子は決して勉強をサボるタイプの子ではなく、いつも素直に取り組んでくれていました。

 

その子の答案と問題を見比べて分析してみると、確かに「いつもの君ならこれくらはできるはず」という問題で30点以上も取りこぼしがありました。

それでは、この子がショックを受けるのも無理はありません。

 

よほど悔しかったのか、その子は間違えた問題に対する自分の意見までまとめてくれていました。

見ると、

単純な計算ミスに対しては、「簡単なミスをしたので、もっと落ち着いて解く」

問題文の読み違いによる失点に対しては、「もっと気をつけて問題文を読むようにする」

・・・など、真摯な反省の気持ちがひしひしと伝わります。

 

ここまで良く振り返りをしている子なのですが、やはり分析のところが弱く感じました。

気をつけたり、落ち着いたりで本当に点数が上がるのかは疑問でしたので、私の方でもう少し細かく見てみることにしました。

 

 

 

ケアレスミスの正体を探る

本人が「できた」と思ったにも関わらず、大きく失点をしてしまった。

これを多くの人が「ケアレスミス」と言います。

つまり、気をつけて解けばできたはず。という考えです。

 

私はこの「ケアレスミス」という言葉が嫌いです。

ケアレスだろうが、何だろうがバツはバツです。

そのバツの結果が今の実力のはずなんです。

 

では、この子の場合はどうすれば良いのか。。。

私は間違えた問題の全てをチェックしてみました。

 

・内角の和を計算する際に(n-2)を(n-1)にしてしまった

・内角と外角を読み違えた

・方程式の項を移項する際に符号を間違えた

 

これって、どれも「ベタ」なミスなんですね。

どのプロセスにおいても「最も警戒するべきポイント」ばかりなんですね。

 

ここで、「この子に足りていない事」がはっきりしました。

この子に足りないのは、「自分の間違いに対する"知識"」です。

「意識」ではなく「知識」なんですね。

こういった基本的なミスは普段の学習でも経験したはずです。そこでもちろん、「解き直し」もしたとしても、それが記憶に残らないと結局は繰り返してしまいます。

 

そこで次回に向けた作戦を提案しました。

 

方針として、「自分はどういう間違いをしやすいのかを、知識として覚えておく」と決めました。

具体的な行動では、「1ページごとに1回」としていた○つけのタイミングを「1問で1回」に変更してもらいました。

今解いた問題が間違っていれば、何をどう間違えたのかを記憶にしやすいです。

これが、数問前に解いた問題では、そもそもどんな問題だったかの記憶すら怪しくなってしまいます。

 

勉強のボトルネックを探すのは、「科学」です。

この子のケースでも、まだ仮説に至った段階です。これから細かい検証をする必要がありますが、これが大きな一歩につながる可能性を秘めています。

 

お子さんは「ケアレスミス」の原因を把握していますか?

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。