2021年2月7日
vol.881
つばめ学院の関口です。
先日、「リスクを負わないことがリスク」という言葉を目にしました。
Facebookのマーク・ザッカーバーグがインタビューに応えてそう言ったというものです。
意味を考えてみよう
これからの若者が生きていく社会は、我々が経験したことのない不確実な世界なはずです。
1年前の段階で、世界の人々がここまでマスクをしながら生活を強いられると予想できた人はほとんどいないはずです。2年前まで遡ればゼロでしょう。
いまの中高生が大人になり、子どもを育てる世代になることに自動車を人が運転することはないかもしれません。
ひょっとすると、それ以上にいまの私たちには想像もできないイノベーションが起きているかもしれません。
いずれにせよ。
これからの社会においては「予想もできない事に対する対応力」は1つのコアスキルになる。そのためには、常に一定のリスクある行動を意識的にすることが重要なのではないでしょうか。
私はこの言葉の意味をそう理解しています。
塾の先生が言う理由
塾の先生である私がなぜそんな事を言うのか。
私はここで「受験」の話をしたいんです。
以前から私は「受験が人を育てる」という事を言ってきました。
高校受験・大学受験と多くの受験経験を積むことで、人は大きく成長します。
私自身も高校・大学・大学院と全て一般入学試験を受け、いずれもそれなりの苦労をしてきました。ただ、それに見合うだけの経験を得ることができたことは事実です。
受験を嫌う傾向
そのようなメリットの多い受験ですが、他方でその受験を避けようとする傾向を感じることも事実です。
(一般以外の受験を悪く言うつもりは毛頭ありません。あくまで一般受験の良さをお伝えしたいのです。)
ここで冷静に考えてみたいのですが。
「一般受験を避ける理由」ってなんなんでしょうか。
その理由のイチバンがずばり「リスク」のはずです。
もちろん一般受験には、不合格になるリスクがあります。
場合によっては全ての試験で不合格になるリスクがあります。
そして、そのリスクゆえにこれまでの自分には出せない力を出せるようになるんです。
ただ思うのです。
受験において考えられる全てのリスクを考慮しても、その子の人生が大きく傾くようなリスクになる可能性は非常に低いのではないか、と。
受験のリスクを避けることにより、1つのリスクを追うことにはなるはずです。
それが「リスクを負わないリスク」です。「受験が怖い」と本当に思う子ほど、ひょっとすると受験をするべきなのかもしれません。受験で命までとられることはありませんから。
私が始めての転職をしたのは、実は第一子が生まれた1週間後でした。(おかげで、有給消化の期間に出産に立ち会うことができたのですが)
二度目の転職は借金をしての独立です。
どちらも大きなリスクがあります。一歩間違えば家族を巻き込んで苦労する事になります。
そのリスクを負えたのは、間違いなくそれまでの人生で追ってきたリスクのおかげです。
「絶対に成功する」という確証はなくとも、「なんとかする」自信はありました。
私が成功例とは思いません。
ただ生徒達には、ゼロリスクを求めて何もできないような人にはなってほしくないのです。
その意味で、「受験」というものが健全なリスク感覚を養うという側面を是非とも知って頂きたいのです。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
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