本当の「受験の価値」とは何か

2021年4月10日

vol.885

 

つばめ学院の関口です。

 

新年度になり、学習塾はお問い合わせを多く頂く時期になりました。

今年は特に中3生のお問い合わせを多く頂けています。

 

今日はそんな中3生がこれから経験する「受験」の価値についてお伝えできればと思います。

 

 

合格すれば良い?

お子さんが受験を通じて得るものはなにか。

まずはそれをはっきりさせたいと思います。

 

もちろん、人によって様々な意見があるとは思います。

 

ただ、一点、私が強調したい事があるんです。

「受験は"合格"に価値があるのではない」という事です。

我々の業界は「合格実績」がつねに注目されるものです。もちろんご家庭の関心が高い点であることは承知しています。

しかし、「合格そのもの」に価値があるのではなく、「合格に向けて何をしたか」が大切なのだと私は確信しています。

「合格」するための努力を通じて「何を」得たのか。

 

私は「合格実績」よりも「成長実績」を積み上げた塾としてのつばめ学院でありたいと思っています。

 

なかなか表現の難しい「成長実績」ですが、今日は昨年度の受験生のエピソードからお伝えしていきます。

 

 

学力だけが上がることはない

お金を出して塾に通わせると、先生達の「分かりやすい説明」によって学力がぐんぐん上がる。

そういった誤解があるように思います。

少なくとも、つばめ学院では違います。

 

お子さんの「学力」がぐんぐん上がったとしたら、その影には「お子さんの成長」があります。

私が見てきた全てのケースでは、人としての成長が学力の向上に反映されただけです。

「学力だけ」が上がることは100%あり得ません。

少なくとも、つばめ学院ではそうです。

 

今日のブログの画像に示したのは、昨年度の受験生のノート比較です。

中2の6月にこのノート(下段)を撮影しました。

半年前(上段)と比較して、明確な変化がありました。

この時点ではわかりにくいかもしれませんが、以前よりも明らかに「読める字」を書くようになりました。

 

そしてこの生徒は中3になってから、

各教科の偏差値が大幅にアップしました。

おそらく、昨年度の受験生の中での「上昇幅」という点では一番です。

 

大切なことは、「偏差値が上がった」という結果ではないと思うんです。

そうではなく、

「勉強で結果を出すならば、まずは人様に読んでもらえる字を無意識に書けるようにしなさい。」

という指示を

「めんどくせーな」

と思いながらでも、自分が信頼する人からの話であれば、「まずは従う」という姿勢をとれるかどうか。

 

その事はこの子の人生にとって、決定的に大切なはずなんです。

勉強の偏差値なんか、吹き飛ぶほどに大切です。

 

 

その想いが大切

もうひとり。

昨年度の受験生をご紹介します。

受験が終わり、私に1人で想いを吐露してくれた子のお話です。

 

その子は、入試特訓の初回で私が話したことを覚えてくれていました。

そのお話をまずは書きます。

 

受験において、

1.努力して合格

2.努力せず合格

3.努力して不合格

4.努力せず不合格

の4つがあるとします。

 

この中で、一番良いのは「1.」だと思います。

 

「じゃあ、2番目に良いのはなんだろう?一番悪いのはなんだろう?」

私は入試特訓でそう問いかけました。

 

実に多くの子が、

「2番目は"2."だ」と答えてくれました。理由は、努力の有無にかかわらず「合格」したからだと。

これはとても素直な解答で、最も中学生の感覚に合うと想います。

 

しかし、私の考えは違います。

 

2番目は「3.」で最悪は「2.」です。

その理由についてお伝えします。

 

「3.」の努力したのに不合格というのは、とても辛いことだと想います。

しかし、「あの時、あれだけ努力できた」という想いを持ってその後の人生を生きることができるのであれば、その意義はとても大きいです。

 

次に「4.」です。

私の高校入試はまさにここでした。

努力できずに合格できない。

これは、当たり前の事です。当たり前に「努力しなかった自分」を反省することができます。

この「失敗」は必ず次に活かせる原体験になるはずなんです。

 

最悪なのは「2.」なんです。

「努力もせずに結果が出てしまう」という事は、その人の感覚を大きく狂わせます。

私は塾の人間として、このような子は絶対に出したくないと思っています。

自分が頑張ったのであれば、その成果を望めば良い。頑張っていないのであれば、反省機会を持つべき。

私はそう考えています。反省機会を「持てる」ことは幸運なことです。

 

私に想いを吐露してくれた生徒の話に戻ります。

 

「僕は、先生が言う”努力せずに合格”になってしまったかもしれません。」

そう言って、申し訳無さそうな表情を見せてくれました。

 

「そうか!その想いがあるなら大丈夫!胸を張って合格を喜ぼうぜ。本当の問題はな、”頑張り切れなかったかも”っていう想いにフタをしてしまうことなんだ。お前がその反省を糧に頑張ろうと思うなら、きっとその未来は明るいよ。これから挽回のチャンスはあるんだ、頑張ろうな。」

そう声をかけました。

 

「合格だけ」ではなく「その子の成長」。

つばめ学院にとっては、その優先度は変わりません。

 

また新たな受験が始まります。

1人1人にとって、唯一無二の成長機会の到来です。

 

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

 

 

2021年度生募集中
つばめ学院では新年度生を募集しています。

新生活への大きな一歩を踏み出してください。

お問い合わせはこちらからお願い致します。