2021年4月26日
vol.886
つばめ学院の関口です。
新年度でもありますので、「なぜ勉強をするのか」というようなお話を教室でしています。
今日のブログでもそのお話を書こうと思います。
「良い大学に行くため」「お金をいっぱい稼ぐため」などと言われることもありますが、もう少し本質的なお話をお伝えできればと思います。
等価交換について
少し脇道からお話をスタートします。
コンビニでコーラを買うことを想像してみてください。
150円をコンビにで払うと美味しいコーラを飲むことができます。
これを等価交換と言います。
150円とコーラの価値が等しいから、それを交換するわけです。
別の例を出しますね。
教室で生徒たちに聞いてみました。
「この中にお家でゴミ出ししてる人はいる?」
なんと、半数近い生徒が手を上げてくれました。みんな、しっかりお手伝いしていますね。
この場合、「ゴミ出し」と「お父さん・お母さんの笑顔」が等価交換かもしれません。
(一部、「お父さん・お母さんのカミナリ回避」と等価交換している子もいるかもしれませんが、、、)
コーラであれ、ゴミ出しであれ。
重要な点が共通しているんです。
それは、「自分が得るであろう”価値”を事前に自分が分かっている」という事です。
人は価値の分かるものに、お金を出したり行動をしたりすることがほとんどです。
その価値が分からないという本質
勉強はそこが大きく違います。
勉強をして「良かった」と心からそう感じている人の多くは、「勉強を通じて」その感覚を身につけたはずです。
勉強する子達からすれば、
「なぜ勉強をするのか」を知るためには勉強をするより他に手段がない。という事になります。
勉強で得られるもの、と勉強するという労力は等価交換ではないからです。
「勉強して得られる価値」は勉強することでしか理解できない、という元も子もない結論になってしまいます。
とはいえ。
ただ単に、「その理由を知りたくば懸命に努力せよ」と言っても、なかなか「そうか、やろう」という気にはならないかもしれません。
そこで、良く生徒にお伝えするのは、
「お金がなくても幸せになる方法」についてです。
「お金をかけずに幸せになる方法」をたくさん持っていると、将来、幸せになれる可能性は格段に高まるはずです。
その中に勉強や読書などが入ります。新しい知識や技術を得ることに幸せを感じることができていれば、その「幸せ感」はお金とは関係なく満たせされます。
「昔から名著と言われる本はたくさんあるよね。読書を通じて得られる幸せを感じることができれば、名著を通じて大きな幸せを手に入れられるかもしれない。しかもタダで。だって、君たちの近所にある図書館はタダで利用できるよね。しかも、とても1人では読みきれないほどの量がある。それを利用できるかどうかは、君たちがどう感じる人であるかに関わっているんだよね。」
自分の中の感性を鍛える
勉強によって鍛えられる事は、自分の中の感性なんじゃないか。そう思うことが多くなりました。
実は私はこの「自分の感性」が変化する瞬間がとても好きです。
以前、大学院で研究をしていた時に「数式が動く」という感覚を経験しました。
数式には時間とともに、粒子がどういう軌道を描くのかが記述されているのですが、その軌道は円形に配置されたダクトの中を上下左右に振動しながら円運動をするというものでした。
言葉で表現することが非常に難しい振動の様子を、「コレ」と黒板に書かれた数式で正確に表現され、その場にいた全ての人間がその表現を正確に共有していました。
そのことに対して興奮にも似た感動を受けた記憶があります。
これは、科学の世界に限定したことではないはずです。
絵画を見て感動する人がいるかもしれません
音楽を聞いて涙を流す人がいるかもしれません
文学の表現に圧倒される人がいるかもしれません
いずれにせよ、そこに「感動」できるために、自分の内的な経験を積むだけではなく、その経験と眼前の表現を結びつける感性を磨くことは重要な事ではないかと感じています。
そして、お子さんがそういった感性を持って生きていくことができたら、それは大きな幸せに通じるのではないでしょうか。
感性を磨くことは、なにも音楽や絵画といった芸術活動からしか得られないものではありません。
むしろ、勉強からもしっかり磨くことができます。1人でも多くの生徒が勉強を通じて感性の豊かな子に育って欲しいです。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。