勉強嫌いのサッカー部員の話

勉強嫌いのサッカー部員の話

2021年9月6日

vol.905

 

つばめ学院の関口です。

今日のブログのお話は「勉強が嫌い」という子にこそ届いてほしいお話です。

 

「うちの子は全く勉強しなくて」というお子様をお持ちのお父様・お母様はお話をしてみてあげてください。

 

 

サッカーにしか興味はない

塾の先輩のお話をします。

その彼は中学でサッカー部にいました。とにかくサッカーが大好きで、勉強が大嫌い。

当然ながら、学校の成績も低迷した状態で塾にやってきました。

 

勉強に対する関心もなく、そもそも「成績を上げたい」という気持ちすら全く感じられません。

そんな彼が中3になります。志望校の調整を進める時の会話です。

 

「この○○高校が第一志望で良いんだよね。」

「はい。サッカー部が強いんで。」

 

「うん、、、ま、サッカー部の話は何度も聞いたしね。で、成績が今のままだとかなり受験は厳しくなりそうなんだよね。ちなみに、△△高校とは考えたりする?」

「あ、△△はないっす。サッカー部がメチャ弱いんで。」

 

「ま、そうなんだけどね。とはいえ成績が足りないと入学できないし、サッカー部どころじゃないよね。」

「そうっすね。○○以外だと、□□高校とかのサッカー部も良いかなって思います。」

「へーそうなんだ。まあ、○○より□□の方が偏差値は高いんだけどね。」

「そうっすか。じゃあ、○○高校です。」

 

 

勉強は好きじゃないけど

これは、本当にあった会話なんです。

こんな会話をするくらいですから、いかに成績に対する彼の関心が低いかも分かってもらえると思います。

 

放っておくと、体力の限界までサッカーをしてご飯食べて寝てしまいます。

部活を引退しても、時間があればサッカーをしに出かけてしまいます。

 

そんな彼ですが、素晴らしい点がありました。

彼は「私との約束を絶対に破らない男」だったんです。

 

基本的に宿題はしっかりやってきます。

やりきれない場合は、授業の最初に「すいません。ここまでしかやってません。」と自己申告します。

「じゃあ、今日の授業の後に残ってやりなさい」と言うと

「わかりました。」と即答して、夜遅くなろうと絶対に終わらせてから帰ります。

 

中3になり、部活も引退しました。

私が「今日から部活もないし、毎日塾に来て勉強するんだよ。」と言うと、

「え?毎日じゃないとダメっすか?」

「ダメっす。そうじゃないと、○○高校に合格できない。」

「、、、じゃあ、来ます。」

 

そういって、毎日、塾に来るようになりました。

塾に来るたびに、「今日の課題はこれね。」と渡します。

渡された課題に対してはなんの文句も言わずに、終わるまでひたすらやり続けます。

 

そして、数ヶ月の後に、彼は「○○高校」に合格します。

 

高校入学と同時にサッカー部に入学し、練習が開始された以降、見事に塾には姿を見せなくなりました。。。

 

 

とても大切なこと

この彼を語るうえで、非常に大切なポイントがあります。

 

それは、彼にとって「勉強」なんて全然大切なものではなかった。ということです。

きっと、彼自身も自分の将来にとって勉強が大切になるんて思ってもいないはずです。

とにかく「将来のこと」を考えるよりも、明日のサッカーの事を考えるような子です。

 

そんな子を見ながら、私が強く感じたことがあります。

「この子はとても信用ができる大人になる」

ということです。

 

自分が好きでもないし、重要視してもいない勉強。

その勉強に対して、ここまで誠実に対応できる人間は絶対に信頼できます。

 

できる事ならやる人間はたくさんいます。

好きな事ならやる人間もたくさんいます。

 

しかし、好きでもなく、得意でもない事をここまで素直にやれる人間はそうはいません。

 

勉強が嫌いなら、それでも構わないと思います。

その時に問われるのは、

「あなたは”嫌いなこと”にどう向き合いますか」ということではないでしょうか。

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。